米国時間の8月1日、Pixarが開発したUniversal Scene Description(USD)技術の普及と標準化を推進する「Alliance for OpenUSD (AOUSD)」の立ち上げが発表された。Pixar、Adobe、Apple、Autodesk、NVIDIAが創設メンバーとして参画し、Linux FoundationのJoint Development Foundation (JDF)と共に、Open Universal Scene Description (OpenUSD) による3Dエコシステムのオープン標準を目指す。3Dツールやデータの相互運用性を高めることで、開発者やコンテンツ制作者が3Dプロジェクトを記述、合成、シミュレーションする能力を拡大し、多様な3D対応製品やサービスを構築できるようにする。



CGプロダクションでは、アニメーター、ライティングアーティストやシェーディングアーティスト、モデラー、fxアーティストなどが、各々特定のニーズやワークフローに合わせて調整された独自形式の3Dデータを扱う。そうした背景からPixarは、多くの要素アセットで構成される可能性のある高度な3Dシーンにおいて、ツール、データ、ワークフロー間の高い相互運用性を実現するためにUSDを開発した。その機能を拡張してオープンソース実装したのがOpenUSDだ。NVIDIAによると、OpenUSDはジオメトリ、カメラ、ライト、マテリアルなど、仮想世界を構築するための要件をサポートし、また大規模で複雑なデータセットへのスケーリングに必要な機能を含む。その高い拡張性により、ビジュアル・エフェクト以外のワークフローにも適応できる。

AOUSDはOpenUSDの機能を詳述した仕様書を作成し、その互換性を高め、より広範囲な採用、統合、実装を可能にし、他の標準化団体による仕様にも組み込めるようにする。そうしたOpenUSD仕様のオープンかつ効率的な開発を促進し、国際標準化機構(ISO)承認への道筋を描けるようにJDFを中心にプロジェクトを展開する。Linux Foundationは、すでに映画のコンテンツ制作などで機能と能力が評価されていて、柔軟性に優れたOpenUSDを「新しい産業やアプリケーションのニーズを受け入れる理想的なコンテンツプラットフォーム」と評価している。

AOUSDはまた、技術を向上させる共同定義をより広範な産業に広げるためのフォーラムを提供する計画で、OpenUSDを利用した新たな価値創出に関心を持つ企業や組織の積極的な参加を呼びかけている。