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「アイドルマスター シンデレラガールズ」のライブイベント“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 燿城夜祭 -かがやきよまつり-”DAY1が2023年6月10日、大阪城ホールにて開催された。

DAY1には一ノ瀬志希役の藍原ことみ、宮本フレデリカ役の郄野麻美、前川みく役の高森奈津美、椎名法子役の都丸ちよ、安部菜々役の三宅麻理恵、速水奏役の飯田友子、浅利七海役の井上ほの花、白坂小梅役の桜咲千依、脇山珠美役の嘉山未紗、桐生つかさ役の河瀬茉希、八神マキノ役の二ノ宮ゆい、大和亜季役の村中知、塩見周子役のルゥティン、依田芳乃役の高田憂希、難波笑美役の伊達朱里紗、小関麗奈役の長野佑紀、星輝子役の松田颯水、城ヶ崎美嘉役の佳村はるか、片桐早苗役の和氣あず未、道明寺歌鈴役の新田ひより、南条光役の神谷早矢佳、浜口あやめ役の田澤茉純が出演した。新田、神谷、田澤はDAY1のみの出演となる。

Text by 中里キリ

大阪屈指の大会場である大阪城ホールで開催された今回のライブ。「シンデレラガールズ」では久々の有観客有歓声での開催となった。コロナ状況下になる前最後のライブが2020年2月の“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪ Glowing Rock!”大阪ドーム公演だったことを思えば、3年ぶりの「シンデレラガールズ」有歓声ライブをまた大阪の地で迎えることになる。

サブタイトルに“燿城夜祭”とある通り、今回のライブテーマはお祭り。開演前にはステージ上にかき氷やたこ焼き、わたあめやヨーヨー釣りの屋台が出現し、浴衣姿のダンサーたちが屋台を楽しむ不思議な光景が繰り広げられた。各屋台を担当するのは「シンデレラガールズ」のライブのキーマンである各社の偉い人たちだ。ステージ上縁日の光景が繰り広げられる中、そのまま協賛企業各社の紹介映像に入るという楽しくもカオスな幕開けとなった。

開演前挨拶と諸注意に登場したアシスタント・千川ちひろの背景も祭り提灯でお祭りモード。「せーの!」「わっしょい!」のコールアンドレスポンスで久々の声出しありの空間の空気を温めた。

オープニングを飾った楽曲は「Yes! Party Time!!」の和太鼓アレンジ。伊達朱里紗が「みんな〜、待たせたな〜!」と笑顔でテンション高く駆け込むと、都丸ちよ、飯田友子、嘉山未紗、二ノ宮ゆい、高田憂希、長野佑紀、和氣あず未が続いて登場。ステージ構成は会場センターの巨大なスクエアステージから三方向に花道が伸びているイメージ。全周の観客がステージを包み込み、演者は全方位に向けたパフォーマンスを繰り広げる。和楽器を多用した最高のパーティーチューンは、ライブに歓声が還ってきた輝かしい一日を始めるにふさわしい楽曲だ。ソロパートで「大胆でもええで?」と方言アレンジを入れた伊達は、ドーム全周のウェーブを先導。大阪アイドル難波笑美ここにありを印象づけた。

開幕MCは高田憂希と伊達朱里紗が代表して担当。「シンデレラガールズ」にとって3年ぶりの大阪、3年ぶりの声出し解禁公演であることを観衆と一緒に喜びあった。高田は「今回のライブテーマはお祭りです」と宣言。和を感じる楽曲や夏のしっとりした楽曲、お祭り騒ぎできる楽曲がたくさんあることを表明した。

ソロのトップバッターは新田ひよりの「満願成就♪巫女の神頼み!」。巫女衣装に身を包んだダンサーたちがステージ全体にぱっと広がるのが目にも鮮やかだ。新田はポニーテールを大きなリボンでまとめると、開幕の楽曲をポップにキュートに歌い上げる。転んじゃってもめげずに立ち上がるくだりを迫真のダンスと早口ボイスで表現すると、“二礼二拍手 ビシッと一礼”のフレーズではダイナミックなお辞儀でポニーテールが大きく跳ねるのがかわいらしい。後半では大幣を手にお祓いムーブを見せたのだが、これほどダイナミックでコミカルな“祓え給い 清め給え”は新田と歌鈴にしか表現できないものだった。

続く和の楽曲は田澤茉純の「Shinobi 4.0 忍者のすゝめ」。ステージに登場した田澤は凛とした口上を決めると忍び走りで通路の真ん中へ。聴かせるパートでの涼やかさと熱唱の自在な使い分けがいい。配信映像ならではの見せ方だったのが忍術表現で、「忍法影分身の術!」では、ぼやかした分身体が歌う田澤の周りを飛び回る。「おさらば!」の声に合わせてカメラ映像が彼方に飛び去ったりと、撮影チームも一緒に楽しんでステージを作りこんでいるのが印象的だった。

「プライスレスドーナッCyu▽」は郄野麻美、都丸ちよ、飯田友子の3人がお祭りのドーナツ屋台としてトリオで登場。郄野の金、飯田の青とアイドルに自然に寄せた髪色や、都丸のサイドポニーなど髪型でキャラクター(アイドル)感を表現する意図を強く感じる。ドーナツの輪っか越しに3人を映し出す実験的なカメラアングルにはびっくり。繊細な歌唱の歌い継ぎから元気な合唱の落差で聴かせると、間奏はキュートでわちゃわちゃ感のあるダンスでも魅せた。

一転してヒーローソングのイントロで登場したのは長野佑紀と神谷早矢佳による「ヒーローヴァーサスレイナンジョー」。お祭りと言えばヒーローのお面で、神谷の頭には「シンデレラガールズ」のマスコットである“ぴにゃこら太”の面が輝く。これぞヒーローソングという神谷の高らかで輝かしい歌唱と、長野のケレン味たっぷりな本当に楽しそうな歌唱は無敵な組み合わせ。向かい合ってキックを交しあったりの振付も楽しい。二番には助っ人として村中知と松田颯水が登場。アニソン特撮番長である松田の歌声がこの曲にぴったりなのは言うまでもなく、村中のパワフルな熱唱が楽曲にさらなる力を与える。2人ずつ組になったダイナミックな振付や必殺技の応酬も、人数が増えた分二乗の輝き。ラストは4人揃ってのヒーローポーズで鮮烈にキメた。



「全開!ミラクルアドベンチャー!」は高森奈津美、三宅麻理恵、井上ほの花によるユニット・はぴのすが披露。先月「デレステ」に登場したばかりのぴっちぴち新鮮なユニットだ。高森と三宅のおなじみの組み合わせの中に、センター井上の輝くようなにかっと眩しい笑顔があるのが新鮮で、おさかな苦手な猫アイドルとお魚アイドルの取り合わせも面白い。ミュージカル調の壮大な楽曲とカオスな展開の中で、高森の半ばやけくそな弾け方が最高に突き抜けている。ステージ上で描かれた波乱万丈な物語は、最後は最高にキュートなアイドルポーズ三連で締めくくられた。

「パ・リ・ラ」は新田ひより、河瀬茉希、田澤茉純、伊達朱里紗、松田颯水が披露。「今年も猛暑が各地で続く予想です。」の台詞を伊達が「続く予想やー!!」と高らかな関西弁でアレンジすると、それだけで会場の空気をごっそり持っていく感じ。待ちに待ったアイドル・難波笑美の本領発揮を見る思いだ。南国のラテンでパッションな響きに合わせて演者も最高のテンションを披露。クールなイメージの強い河瀬の弾けっぷりが気持ちいい。最高にハッピーで楽しい表現がある一方、時につややかな流し目の表現が入ったりするのもこの曲ならではだ。客席のコールと一体になったコミュニケーションも見どころで、「やーめーた!!」の大合唱は最高の一体感だった。

今回のライブでは、各ブロック間に“シンデレラガールズチーム対抗よまつり王決定戦”と題したミニゲームで対戦。初日は勝者にたこ焼きが与えられるとあって演者もエキサイト。ここでは松田颯水、和氣あず未、嘉山未紗のチーム我と、郄野麻美、井上ほの花、神谷早矢佳、高田憂希のチームほら貝が輪投げで対戦。先行のチーム我は失敗が続いたが、トリのリーダー松田が「絶対に一点取ろう!」と気合を入れると会場から熱い歓声が飛ぶ。その歓声を受けた松田が6点ショットを見事決めたのには思わず拍手してしまった。

一方のチームほら貝は郄野がさらっと2点をゲット。井上は両手で投げる独特のフォームがかわいらしい(が失敗)。ここで登場したのが輪投げには自信ありの神谷。膝を使うのがコツだと解説しながら、なんと一発で最高点の9点をゲット!! 「かっこつけて外す流れかと思ったら」と本人は苦笑しながらも見事にヒーローになったのだった。

第2ブロックはガラリとカラーを変えて、飯田友子、二ノ宮ゆい、ルゥティンによる「不埒なCANVAS」からスタート。ルゥはオリジナルメンバーだ。クールタイプでボーカル力に定評のあるメンバーを揃えた編成で、背中合わせのトライアングルでパフォーマンスを繰り広げる3人のバランスがとてもいい。落ちサビのルゥの突き抜けるような透明感ある歌声が印象的だった。

「花簪 HANAKANZASHI」は小早川紗枝(立花理香)のソロ曲を藍原ことみ、郄野麻美、都丸ちよのトリオ編成でカバー。特徴的なイントロが流れると会場にざわめきがあふれた。藍原の魔力を感じる伸びやかな歌い出しから、郄野の跳ね回るようなフレデリカそのものの歌唱、都丸の繊細かつキュートな歌声へと歌い継いでいく。和傘を肩に背負ってのパフォーマンスで、郄野のぽかぽかの笑顔は楽曲の新しい解釈。優雅な舞とともにつややかな仕草を見せる都丸の表情が仕上がっていた。

「日々あどべんちゃーなのでしてー」は高田憂希のソロ曲に、桜咲千依と嘉山未紗が加わったトリオで披露。笑顔の高田がスタッカートを効かせてかわいらしくもリズミカルに歌い出すと、手を振りながらゆったりとした足取りでステージへ。強い声質の桜咲が加わることで、どこか浮世離れしたテイストが加わる。おっと驚いたのは“ねーねーそなたー ねーそなたー”のフレーズを嘉山がソロで担当していたことで、原曲とはまた違うオリジナルなかわいさになっていた。ささやくように、落ちサビでは想いを込めて、みっつの歌声が時に溶け合い、時に絡み合いながらホールに広がっていった。最後は三人揃ってのほら貝ボイスを「ぶおぉー」と響かせて締めくくったのだった。

「夏恋 -NATSU KOI-」は藍原ことみ、井上ほの花、ルゥティンが披露。スタイリッシュなイントロに合わせたダンスからパフォーマンスに入る。壮大な楽曲での藍原とルゥの大人の表現の中に、井上のちょっと舌ったらずなファニーボイスが加わることで不思議で魅力的なアクセントになっていた。それでいて、しっかり聴かせるパートではふっと引き込まれるような表現力も併せ持っているのが井上の非凡なところだ。静かに燃え上がるようなラスサビを経て、アウトロの光の中舞うように踊るルゥの姿が鮮烈で美しかった。

スクリーンに雨が降りしきる。郄野麻美、三宅麻理恵、河瀬茉希、村中知、和氣あず未による「ささのはに、うたかたに。」の時間だ。5人はヘッドセットを着用、青の和傘を持って登場したことで表現に幅が加わった。村中による歌い出しがなんとも優雅かつ情緒豊かで、普段のパワフルな歌唱とのギャップに引きこまれる。五者五様のしっとりとした歌と表情の表現。日頃陽性の個性を見せることが多いアイドルたちだからこその新鮮な印象が残った。



手拍子の中、「なつっこ音頭」で浴衣のダンサーたちとともにステージに登場したのは都丸ちよ、井上ほの花、桜咲千依、神谷早矢佳、長野佑紀、松田颯水。「楽しい音頭の時間だよ!!」と音頭を取ったのは神谷だ。「シンデレラガールズ劇場」発の楽曲だが、夏祭りをテーマにした音頭曲は今回のライブにぴったり。ヒーロー、ホラー、メタルといった様々な属性の顔を持ったアイドルたちが、年齢相応のかわいらしい一面を見せながら歌い踊るのは幸せな光景だ。ステージ中央部がせりあがると、都丸と井上が歌い踊る祭りヤグラがステージにできあがった。

“シンデレラガールズチーム対抗よまつり王決定戦”第2弾はコロコロビンゴ対決で、新田ひより藍原ことみ田澤茉純のチームカワイイと、飯田友子三宅麻理恵二ノ宮ゆい伊達朱里紗のチームうさたこめがねキッスが戦った。3×3のビンゴマシンにボールを転がしていき、縦横ななめのどこかでビンゴしたら勝ちというゲームだ。

チームカワイイは新田が声援にプレッシャーを感じながらも、3投全てを枠に入れるファインプレイ。ラストの8投目で藍原がきっちりビンゴを確定させて結果を出した。対するうさたこめがねキッスは、二ノ宮が冷静に投げこんでダブルリーチをかけると、三宅のころがしたボールはふらふらとセンターの穴に。なんと残る穴5つのどこに入っても勝ちという天運だ。安部菜々、おそろしい子。この一球を入れれば勝ち……というタイミングでズバリと決めたのはまたしても二ノ宮ゆい! データに基づいた? 勝利でうさたこめがねキッスの勝利となった。

第3ブロックはガラリと空気を変えて、桜咲千依、高田憂希による「廻談詣り」からスタート。背中合わせの美しき舞と歌声の世界。高田の微笑みがどこか浮世離れした温度に感じられる。ノイズ交じりのモニターに映る人影。暗闇をまとったダンサーたちの動きが激しさを増し、繊細なウィスパーボイスの重なり合いが観衆を夢うつつへと運んでいく。会場の温度が数度下がるようなジャパニーズホラーの世界がそこにあった。



方向性は対極ながら、場の空気を支配する力ではこちらも突出していたのが嘉山未紗、長野佑紀、松田颯水による「N.O.R.〜Notes of Revolution〜革命についての覚書」。 ユニット・SOUL LEATHERSのオリジナルメンバーが集結した。嘉山の「YEAH!!」の絶叫でステージを切り拓くと、花火の柱が上がる中みっつの魂が革命を奏でる。口上めいたラップパートの掛け合いがテンションを高め、治安の悪いギターと客席の叫びが唸りを上げる。シャウトと言えば松田の代名詞だが、それを追いかける長野の叫びがこちらも絶品。そして場をかっさらう嘉山の「YEAHhhhh!!」の叫びと、それぞれが一歩も引かないパフォーマンスを繰り広げた。



爽快で疾走感のあるイントロ。ステージの光の柱に立ったのは神谷早矢佳、初のソロ曲「サイン・オブ・ホープ」だ。彼女の初ステージだったヤマダグリーンドーム前橋から5年。この日をどれほど待ちわびたことだろうか。清涼で伸びやかな歌声は特別な存在感にあふれていて、南条光というアイドルの新しい魅力を見せつけるようだ。“もっともっと高く飛べ”の声と共に高々とジャンプ! キレよく踊りながらのボーカルは安定感抜群で、この日まで積み重ねてきた練習と準備の日々を感じさせる。「みんなの声を聴かせてくれ!」の声に応える大歓声は、すべてはこの日のためにあったのだと感じさせた。

村中知と和氣あず未は「ハートボイルドウォーズ」を披露。スタイリッシュなイントロとライトに照らしだされたポーズとダンスが、それだけでショーとして成立する強度がある。両翼のステージに分かれたふたりがそれぞれダンサーを従えての完成度の高いパフォーマンス。間奏に駆け寄ったふたりがダンサーたちとともに一列になって鮮やかな群舞を見せると、そのまま流れるようにふたり背中合わせのフォーメーションへ。背中を預けあっての鮮やかな表現から信頼関係が見える。ここぞというところで的確に観る者のハートを撃ちぬいていく無敵のガンナーたちだった。



ここにきて藍原ことみ、郄野麻美、飯田友子、ルゥティン、佳村はるかのLiPPS勢ぞろい。楽曲は放送中のTVアニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ U149」から最新曲「Nightwear」を直でぶちこんできた。レーザーと光の明滅の洪水の中で、5人の立ち姿があまりにも鮮烈。後半戦まで引っ張って登場の佳村はるかは、楽曲のイメージに合わせたのかストレートヘアが新鮮だ。間奏のピアノパートからどこか抑えたプライベートな雰囲気に変わると、佳村の流し目を抜いたカメラワークがあまりにも見事。つややかで鮮やかな、LiPPSここにありというパフォーマンスを見せてくれた。

“シンデレラガールズチーム対抗よまつり王決定戦”第3弾は射的対決。河瀬茉希、桜咲千依、都丸ちよ、村中知のチームガンガン射的ーズと、ルゥティン、佳村はるか、長野佑紀、高森奈津美のチームシャテキングが激闘を繰り広げた。ガンガン射的ーズからは、河瀬ができる女の空気を出しながら見事にシュート。銃口をふっと吹いて見せた。桜咲も“あの子”パワーで見事に一撃。都丸と村中も的に当てつつもギリギリ倒れないハイレベルな先攻だ。

チームシャテキングは長野と前川が倒れたものの、カド番で「カリスマ!」コールを浴びながら登場した佳村が余裕の的中。ルゥも「どうしよう〜」とうろたえつつもリーチの長さを活かして的中でサドンデスに! 桜咲と長野の“ちっちゃい子対決”は両者的中。村中が失敗して崩れ落ちる中、先ほどは「キング最弱」を自称して失敗した高森がここ一番の勝負強さを見せて接戦を制したのだった。



ラストブロックは新田ひより、嘉山未紗、田澤茉純の「義勇忍侠花吹雪」で、ユニット・可惜夜月が勢ぞろい。和をテーマにしたライブでは外せない楽曲を、ラストブロックの切り込み隊長に持ってきた。3人はヘッドセット着用で、両手を使ったダンスの可動域の広さが印象に残り、全周ステージを意識した振付もあいまって一際華がある。配信では引きのカメラがいい仕事をしていて、ソロパートの歌い継ぎの間2人はカメラに背を向ける。そこから全員がバッと向き直ってサビに突入する絵に力があった。



伊達朱里紗はソロで「大阪タコちゃんラブちゃん」を披露。収録CD発売を翌週に控えたほやほやの新曲だが、伊達の通りの良い聴きやすい声質と難波笑美の陽性のパーソナリティは仮に初見であってもぐいっとひきこむだけの引力がある。そしてスクリーンのコールガイドに合わせて即座に大コールを返していく会場のプロデューサーとファンたちには流石と言うしかない。「なんでやねん!」「どないやねん!」とキレのいいツッコミとともにふわっと笑顔が浮かぶのが伊達自身本当にステージを楽しんでいるのが伝わってくる。コブシをぶん回すパートの落差の衝撃度はフルサイズ初披露のステージならでは。めっちゃ踊ってめっちゃ笑う、彼女ならではのハッピーすぎるパフォーマンスだった。

ここからはノンストップでぶち上がるお祭りパート。「情熱ファンファンファーレ」は新田ひより、井上ほの花、河瀬茉希、村中知、長野佑紀、和氣あず未が披露。河瀬が「お前らの全力、まだまだこんなもんじゃねーよな!」と煽ると、オレンジ一色に染まった大会場が割れんばかりの歓声で応える。パッション色が極めて強い楽曲を混成ユニットで歌うのは新鮮で、長野と井上が合わせるパートの声力が強すぎる。

これぞ大団円という説得力のある一曲だったが、そこから畳みかけるように「サマカニ!!」へ。三宅麻理恵、ルゥティン、伊達朱里紗、松田颯水、佳村はるかというチーム関西(中の人が)が夏の祭りを歌い上げる。今日は難波笑美の一日とばかりのステージどセンターに立ったのは伊達で、それもそのはず「サマカニ!!」は難波笑美としての初ボーカル曲。原曲とパートを変えて“ちょちょちょ待って”を担当しているのもとてもハマっている。と思いきや二番では同パートを三宅が担当。迫真の感情表現で、歌い手によってここまでカラーが変わるのかと楽しませてくれた。佳村の“そう!! Shall we dance?”の弾けるような表現だったり、経験豊かなメンバーは勝負どころを知っているなと感じた。

怒涛のラッシュは「Orange Sapphire」へ。加減を知らない構成に、イントロとともに歓声が沸き起こる。歌唱メンバーは藍原ことみ、飯田友子、井上ほの花、桜咲千依、二ノ宮ゆい、神谷早矢佳で、これまたキュートクール多めの新鮮な組み合わせ。歌い出しの井上の「らいはっぴー」の舌ったらずさがもうズルい。二ノ宮のパートでこの曲をこんなに美しい調べとして響かせられるのかと驚くと、桜咲千依というかわいらしさを煎じ詰めたようなボーカルが飛んでくる。リリースから10年目を迎える大名曲の新たな一面を見せてもらえるのは、「シンデレラガールズ」というコンテンツの懐の深さを感じさせた。

祭のクライマックスの楽曲は、三宅麻理恵、嘉山未紗、ルゥティン、高田憂希、田澤茉純による「Wish you Happiness!!」。勇壮な太鼓の調べとともに駆け出した三宅が、夜祭りもクライマックスであることを告げる。新年イメージの強い楽曲ではあるが、この曲も有歓声の大コールに迎えられる日を待ちわびていたことだろう。この曲のセンターで三宅がとびっきり弾けたパフォーマンスを見せて、それを満場の観衆と大歓声が包み込む、こんな幸せな光景はそうはない。この場にいるすべての人がこれからも幸せでありますようにと希うようなステージだった。

ここで全員を代表して、ソロ曲を披露したメンバーから挨拶が。神谷は久々の声出しありのライブの感慨を伝えると、「やれること全部出し切って、それが皆さんにも届いていたら嬉しいと思っています」と語っていた。伊達は「おおきに!」と感情を弾けさせると、念願のソロを大阪で有観客有歓声で歌えた喜びとともに「明るい曲なのにコールに泣きそうになりました。本当に本当に幸せな時間でした」と感謝を伝えていた。



本編ラストナンバーは全員揃っての新曲であり、本公演テーマ曲の「悠久星涼」。これが最後の曲と伝える高田憂希に「ええ〜!!」の声が応えると、久々の響きに高田も嬉しそうだ。「悠久星涼」は祭りの終わりを感じさせるしっとりとした楽曲で、最後の花火、夏の終わりといったモチーフが散りばめられている。楽しかった時間の輝かしい記憶を辿る空には、電子の花火が弾け散る。ステージいっぱいにアイドルが広がって美しい物語を奏でる、それは神話のような情景だった。

アンコール前には、今後の展開の業務連絡が伝えられた。一部紹介すると、リアルトレーディングカードゲーム「Shadowverse EVOLVE」と「アイドルマスター シンデレラガールズ」のコラボでは、コラボスターターデッキ3種とコラボパックが2023年8月25日に発売される。また、公式周辺グッズとしてスリーブ、ラバーマット、デッキホルダー、ストレイジボックスなどが多数展開されるようだ。また、X CULTURE SPACE FUNTOS with「アイドルマスター シンデレラガールズ」の開催が決定。ファントエスオリジナル衣装を着た「#UNICUS」の3人を中心としたコラボが2023年7月7日〜8月2日まで展開されるようだ。

また、本公演“燿城夜祭”Blu-ray Box発売決定の知らせとともに、映像特典として「デレパMCによる舞台裏完全密着ドキュメンタリー」の収録が告知されると、会場からは笑いと大歓声が上がっていた。

アンコールでは、ステージの各所から藍原ことみ、郄野麻美、新田ひより、三宅麻理恵、桜咲千依、河瀬茉希、二ノ宮ゆい、神谷早矢佳、高田憂希、田澤茉純、和氣あず未が登場。楽曲はユニット・Sola-irisの「サマーサイダー」を多人数曲として再解釈すると、ステージに再びさわやかで清涼な夏が広がった。

アンコールMCには法被でハッピーということで、キャラクターグラフィックの入った法被姿でアイドルたちが登場。3年ぶりに観客の歓声が聴けたことを改めて喜びあった。



ラストナンバーは「いつものあの曲」をアレンジバージョンで。「お願い!シンデレラ」を和楽器を散りばめた和太鼓アレンジで披露した。曲中のフリームーブも、法被姿で動き回ると一際お祭り感がある。最後は伊達が音頭を取っての関西調の「これからもアイマスですよ、アイマス!」と、「おおきに!!」の大合唱でDAY1は幕となった。

THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 燿城夜祭 -かがやきよまつり-”DAY1

2023.06.10 大阪城ホール

<セットリスト>

M01:Yes! Party Time!!(和太鼓アレンジ)(都丸ちよ、飯田友子、嘉山未紗、二ノ宮ゆい、高田憂希、伊達朱里紗、長野佑紀、和氣あず未)

M02:満願成就♪巫女の神頼み!(新田ひより)

M03:Shinobi 4.0 忍者のすゝめ(田澤茉純)

M04:プライスレスドーナッCyu▽(郄野麻美、都丸ちよ、飯田友子)

M05:ヒーローヴァーサスレイナンジョー(村中知、神谷早矢佳、長野佑紀、松田颯水)

M06:全開!ミラクルアドベンチャー!(高森奈津美、三宅麻理恵、井上ほの花)

M07:パ・リ・ラ(新田ひより、河瀬茉希、田澤茉純、伊達朱里紗、松田颯水)

M08:不埒なCANVAS(飯田友子、二ノ宮ゆい、ルゥティン)

M09:花簪 HANAKANZASHI(藍原ことみ、郄野麻美、都丸ちよ)

M10:日々あどべんちゃーなのでしてー(桜咲千依、嘉山未紗、高田憂希)

M11:夏恋 -NATSU KOI-(藍原ことみ、井上ほの花、ルゥティン)

M12:ささのはに、うたかたに。(郄野麻美、三宅麻理恵、河瀬茉希、村中知、和氣あず未)

M13:なつっこ音頭(都丸ちよ、井上ほの花、桜咲千依、神谷早矢佳、長野佑紀、松田颯水)

M14:廻談詣り(桜咲千依、高田憂希)

M15:N.O.R.〜Notes of Revolution〜革命についての覚書(嘉山未紗、長野佑紀、松田颯水)

M16:サイン・オブ・ホープ(神谷早矢佳)

M17:ハートボイルドウォーズ(村中知、和氣あず未)

M18:Nightwear(藍原ことみ、郄野麻美、飯田友子、ルゥティン、佳村はるか)

M19:義勇忍侠花吹雪(新田ひより、嘉山未紗、田澤茉純)

M20:大阪タコちゃんラブちゃん(伊達朱里紗)

M21:情熱ファンファンファーレ(新田ひより、井上ほの花、河瀬茉希、村中知、長野佑紀、和氣あず未)

M22:サマカニ!!(三宅麻理恵、ルゥティン、伊達朱里紗、松田颯水、佳村はるか)

M23:Orange Sapphire(藍原ことみ、飯田友子、井上ほの花、桜咲千依、二ノ宮ゆい、神谷早矢佳)

M24:Wish you Happiness!!(三宅麻理恵、嘉山未紗、ルゥティン、高田憂希、田澤茉純)M25:悠久星涼(THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)

-ENCORE-

M26:サマーサイダー(藍原ことみ、郄野麻美、新田ひより、三宅麻理恵、桜咲千依、河瀬茉希、二ノ宮ゆい、神谷早矢佳、高田憂希、田澤茉純、和氣あず未)

M27:お願い!シンデレラ(和太鼓アレンジ)(THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS)

THE IDOLM@STER™& ©Bandai Namco Entertainment Inc.

関連リンク



「アイドルマスターシンデレラガールズ」日本コロムビア公式サイト

https://columbia.jp/idolmaster/

「アイドルマスター」公式ポータルサイト

https://idolmaster-official.jp/