Microsoftが2023年2月に検索エンジンのBingに対して実装したチャットAIは、OpenAIの大規模言語モデル「GPT-4」を採用していることが明らかにされています。そんな中、2023年5月4日にMicrosoftがBingのAI機能のアップデートを行ったことと今後の追加予定機能を発表しました。

Announcing the next wave of AI innovation with Microsoft Bing and Edge - The Official Microsoft Blog

https://blogs.microsoft.com/blog/2023/05/04/announcing-the-next-wave-of-ai-innovation-with-microsoft-bing-and-edge/



Microsoft barrels ahead with AI plans, opens up Bing Chat preview to everyone | Ars Technica

https://arstechnica.com/gadgets/2023/05/microsoft-barrels-ahead-with-ai-plans-opens-up-bing-chat-preview-to-everyone/

Microsoft’s Bing chatbot gets smarter with restaurant bookings, image results, and more - The Verge

https://www.theverge.com/2023/5/4/23710022/microsoft-bing-chatbot-ai-image-video-chat-history-features

Microsoft’s Bing Chat AI is now open to everyone, with plug-ins coming soon - The Verge

https://www.theverge.com/2023/5/4/23710071/microsoft-bing-chat-ai-public-preview-plug-in-support

The Next Wave of AI Innovation with Microsoft Bing and Edge - YouTube

MicrosoftがAIを統合した新しいBingとEdgeを発表して以来、BingやEdgeのユーザー数は急増しており、3月にはBingにおける1日当たりのアクティブユーザー数が1億人を超えたことが報告されています。そんな中、Microsoftは2023年5月4日に、BingのAI機能の大幅なアップデートを実装したことと今後追加予定の機能を発表しました。

◆順番待ちリストの削除

これまでBingのAI機能を使用するためには、順番待ちリストに登録して、先行プレビューに参加する必要がありました。しかし、多くのユーザーからのフィードバックを受けたMicorosoftはチャットAIの順番待ちリストを削除し、Microsoftアカウントを持っている全ユーザーはBingにサインインするだけで誰でもAI機能を使用することができるようになりました。順番待ちリストの削除によって、これまで限定プレビューだったBingやEdgeのチャットAIがオープンプレビュー段階に移行しました。

◆質問に対して画像やグラフで回答

アップデートされたBingやEdgeでは、ユーザーの質問に対する回答の書式設定を更新し、チャートやグラフを使用したより視覚的な回答を行う機能が実装されました。この機能により、グラフだけでなくオブジェクトや動物、場所などの写真や動画など、ユーザーが探している情報を視覚的に提示することが可能になります。



さらにEdgeに追加された画像生成AI「Image Creator」を100以上の言語に拡張することで、Bingチャットを使用することで簡単に画像を生成することが可能になります。



◆AIの新しいアクション機能

アップデートされたBingやEdgeのAIでは、開いているサイト間を移動することなくタスクを完了することが可能です。一例としてMicrosoftは、レストランを予約する際に、Bingチャット上でのやり取りを行いながら適切な予約時間をユーザーに対して提案し、レストランの予約をチャット上で行うことができると説明しています。



また、見たい映画を検索する場合、Bingに統合されているAIが適切な動画視聴サービスを自動的に選択し、サイトを開いて映画の再生を開始することが可能です。



◆今後の機能追加予定

今後のアップデートでは、Bingでのチャット履歴を使用して、デバイス間でチャットAIとの会話を共有したり、Bingチャットを調査ツールとして使用したりできる機能が追加されるとMicrosoftは述べています。また、MicrosoftはBingチャットにエクスポートおよび共有機能を追加して、TwitterなどのSNSでの会話内容の共有や、Wordに記された文章への会話内容の取り込み機能の追加を予定しています。



さらに、Bingチャットによる回答からリンク先のページを開くと、実行中のチャットが自動的にサイドバーに移動し、開いたサイトを閲覧しながらチャットを継続できる機能も予定されています。Microsoftは今後の計画として、以前のチャット履歴を新しい会話に一部取り入れることで、それぞれのユーザーにパーソナライズしたチャットセッションを実行する機能を導入することを明かしています。



Microsoftはこれらの機能の追加について「今後数週間で利用可能になります」と述べています。

◆Bingチャットのサードパーティへの開放

上記の一連の機能に加えて、MicrosoftはサードパーティのプラグインをBingチャットに組み込み、開発者向けのプラットフォームを作成する予定です。このプラットフォームがいつ利用可能になるかについて、Microsoftは明らかにしていませんが、Microsoftは、チャット上での予約機能はオープンテーブル、グラフなどによる視覚的な回答の提示はWolfram Alpha、さらに開発者がBingチャットにアクセスする機能ではOpenAIと連携しており、さまざまな企業と共同で新機能を開発していることを報告しています。

Microsoftの消費者マーケティング責任者であるユーサフ・メーディ氏は「これらの機能は、検索の再発明におけるゲームチェンジャーであり、検索の再開発の機会を促進すると信じています」「2023年5月後半に行われるMicrosoft Buildで詳細をお知らせします」と述べました。