Thunderbirdプロジェクトはこのほど、公式ブログ「Why We're Rebuilding The Thunderbird Interface From Scratch」において、今後3年間における活動目標を発表した。Thunderbirdは、2023年7月に「Supernova」のコードネームで呼ばれる大型アップデートを控えている。このリリースを契機として、古いコードを書き直して技術的負債を解消するとともに、ユーザインタフェースのゼロからの再構築に挑戦するという。

Why We're Rebuilding The Thunderbird Interface From Scratch

2003年にバージョン0.1がリリースされたThunderbirdは、今年でちょうど20周年を迎える。この長い歴史の中で、Thunderbirdにはさまざまな事情から多くの技術的負債が積み重ねられてきた。これを解消して今後の持続可能性を保証するために、Thunderbirdプロジェクトでは今後3年間の次の3つの主要な目標を設定したという。

コードベースをよりスリムで信頼性の高いものにし、古いコードを書き直して技術的負債を取り除く

インタフェースをゼロから再構築して、一貫性のあるデザインシステムを作成する

毎月のリリーススケジュールに切り替える

記事では、過去10年間に起こったThunderbirdの開発プロジェクトを取り巻く変化についても説明している。2012年にMozilla FoundationがThunderbird開発への投資を削減したことで、開発はコミュニティの貢献に強く依存することになった。多くのコミュニティメンバーの貢献によって開発は継続されたものの、UI/UXの一貫性が確保できず、まとまりのあるビジョンやロードマップを共有することも難しくなったと説明されている。

2017年から2020年にかけて、プロジェクトの主導権はMozilla Foundationの子会社であるMZLA Technologiesが維持するようになり、現在は有給の従業員グループによって積極的に開発および保守が行われている。この変化によって外部からの貢献に対する自由度は狭まったものの、適切なロードマップと意思決定、方向性の定義を行う体制が整ったという。

前述のとおり、2023年現在は最新のパラダイムを実装し、一貫したコーディングスタイルを文書化することで、技術的負債を含むコードを徐々に削除しているとのこと。そしてUI/UXの改善については、すべてのユーザーのニーズに適応できるインタフェースを開発することが目標であり、モダンなUIの最初のバージョンはSupernova(Thunderbird 115)で実装される予定だという。