Googleのクラウドコンピューティング部門であるGoogle Cloudが、2023年1月13日(金)にVertex AI Vision上に最先端のAIソリューションを構築し、小売店の店内在庫を認識・追跡することができるAIツールを発表しました。

Google Cloud Unveils New AI Tools for Retailers

https://www.prnewswire.com/news-releases/google-cloud-unveils-new-ai-tools-for-retailers-301721298.html

Google Cloud Introduces Shelf Inventory AI Tool for Retailers - WSJ

https://www.wsj.com/articles/google-cloud-introduces-shelf-inventory-ai-tool-for-retailers-11673549442?mod=djemalertNEWS

Goolgle Cloudがアメリカ・ニューヨークで開催される全米小売業連盟の会議に先立って発表したAIテクノロジーは、小売店の天井に取り付けられたカメラやカメラ搭載の自動運転ロボット、店員が撮影した動画や写真から、視覚的・テキスト的特徴に基づいて製品を認識し、実際の商品棚にある在庫を確認する技術です。





商品の在庫が少ない、または在庫切れといった問題は、小売業者の売上にとって大きな問題です。しかし、従来の在庫チェック技術ではカメラの角度や照明の具合、季節ごとのパッケージの変更に対応できないなどの理由から普及が進みませんでした。

Google Cloudが発表したAIツールは10億点以上の製品のデータベースで機械学習が行われており、カメラの種類にかかわらず、商品をどの方法からでも認識できるとのこと。



Google Cloudのキャリー・サープ氏は「このツールがあれば小売業者は在庫切れの商品を迅速に補充できるだけでなく、逆に販売する個数を減らすことを検討することができます」と述べています。

このツールは記事作成時点においてプレビュー段階で、スーパーマーケットチェーンのジャイアント・イーグルでは、カメラの位置などの問題で認識しない場所についてGoogle Cloudに対してフィードバックを提供し、微調整を行っているそう。

このツールは今後数カ月以内に実際の店舗でテストが開始される予定ですが、ジャイアント・イーグルのグラハム・ワトキンス氏は「このツールを実際にスーパーマーケットチェーン全体に展開するには数年を要します」と述べています。その理由は店内すべての通路や商品棚を確認できるカメラや自動運転ロボットの設置に高額の費用がかかるからとのこと。

また、ワトキンス氏は、「アルゴリズムは必ずしも完璧ではなく、AIが商品を認識できない条件が存在する可能性があります」と述べており、「AIによる商品棚の在庫チェックが主流になるまでには3〜6年掛かる可能性があります」と予測しています。