MT車に乗っている人しかわからない“アレ”

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今や絶滅危惧種のように扱われている、マニュアルトランスミッション車(通称MT車)。

一昔前であれば「スポーツ走行には絶対MT」と言えたのですが、トランスミッションのオートマチック化が進んだと同時に、多段式や切り替え速度の速いATも出現し、もはやMTよりもタイムが伸びるATが登場してしまうほど、ATの高性能化が進んでいます。

ほとんどの車がATになる中、MT車に乗っている人しかわからない現象が一つあります。それが「クラッチが滑る」という現象です。 

「クラッチが滑る」ってどんなことか説明できる?

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摩擦を利用して、発進や停止など状況に応じてエンジンの動力をトランスミッションに伝達、遮断するのがクラッチの役目です。MT車にだけクラッチペダルがあることから、「クラッチはMT車にしかない」と思われる方も多いのではないでしょうか。

もちろんMT車にはクラッチがありますが、ATやCVTの車にもクラッチが存在しているのです。

クラッチは大きく分けると3つの種類があり、摩擦式、流体式、電磁式に分かれます。

MT車に使われているのは摩擦式で、エンジンの動力をクラッチに伝えるフライホイールとクラッチディスクを離したり、くっつけたりしてエンジンの回転を断続する仕組みです。

クラッチペダルを踏み込んだ状態では、完全にフライホイールとクラッチディスクが離れている状態ですが、徐々にペダルを戻していくと、フライホイールとクラッチディスクが触れ合い、摩擦を起こしながらエンジンの動力をトランスミッションに伝えていきます。

エンジン回転数とクラッチの回転数が合わない状態のこと

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クラッチは、摩擦の力を使ってエンジンの動力をミッションに伝え、その動力がタイヤに伝わることで、車は動き出すことができます。

摩擦で車を動かすということは、ブレーキと真逆のことをしているということでもあります。そのため、摩擦による摩耗が発生し、クラッチディスクは減っていきます。

摩擦の影響を大きく受けると、摩耗は早く進んでしまうもの。例えば、高回転で回っているエンジンに対し、突然クラッチを繋ぐような行為はもちろん、クラッチ側とエンジンの回転数が異なるような「半クラッチ」の状態を長く続けるのも、クラッチを摩耗させる原因です。

摩耗が進んだクラッチは、フライホイールとの圧着力が落ちてきて、次第に半クラッチと同じような、エンジン回転数とクラッチの回転数が合わない状態になります。

この結果、「クラッチが滑る」という状態が発生するのです。

クラッチが滑るとエンジンの回転数を上げても加速感が得られなくなる

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エンジンの力を全てトランスミッションに伝えることができなくなったクラッチは、滑りはじめます。この現象は、クラッチを完全につないだ状態で走行し、エンジンを高回転になるまで回していくと発生します。

5,000回転前後まではクラッチが持っている摩擦力で、エンジン動力を全て伝えきれているのですが、それ以上にエンジンが速く回転すると、クラッチの持ち合わせている摩擦力では、動力の全てを受け止めきれなくなり、エンジン側のフライホイールが、クラッチの上で空回りするような状態になるのです。

これが「クラッチが滑る」という状態。エンジンを回していくと、突然ヒュンとレッドゾーンまで回ってしまい、エンジン回転数の上昇に応じた加速感を得られないポイントに入ります。

クラッチが滑る原因は様々考えられますが、主なものは、クラッチのオーバーヒート、クラッチカバーの劣化、ハイパワーすぎるエンジンでクラッチの摩擦力が足りない、オイルなどが漏れてクラッチに付着したといったものです。

特に、スポーツカーのような高性能エンジンを積み込むMT車では、クラッチの置かれる環境が厳しくなり、滑りがよく発生してしまいます。

AT車では車側が勝手に操作してくれるクラッチですが、MTではそうはいきません。摩擦で減るモノという認識を持ち、クラッチに優しい運転を心がけていきましょう。