冨安健洋(撮影:岸本勉/PICSPORT)

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21日、日本代表の冨安健洋が初戦のドイツ戦に出場に向けて意欲的に語った。

冨安は報道陣に公開された練習の中でボール回しにも参加。笑顔を浮かべながらボールを追っていた。トレーニング後、報道陣に囲まれてケガの状態を聞かれると「元々初戦に間に合う予定で準備をしてた」と、順調な回復状態だと語った。

冨安は2021年3月、ボローニャ時代に左ふくらはぎの筋肉を損傷し、アーセナルに移籍したあとの2021年12月には右ふくらはぎを故障する。2022年に入ってからも1月と2月にふくらはぎのケガが再発。復帰を果たしたものの、5月には右ハムストリングを傷めて離脱を余儀なくされ、復帰したものの11月3日には右大腿部の負傷で途中交代となった。

今回、冨安にとって不幸中の幸いだったのは大腿部のケガだったことかもしれない。冨安は6月の取材で「ケガはしてますけど、体の使い方がいい方向に変わったのではないかとポジティブに捉えています」と答えていた。過去にふくらはぎの負傷経験はなかったが、それが経験のある大腿部の負傷に変わったことで、対処方法も分かってきているというのだ。

ドイツ戦は難しい戦いとなりそうだが、冨安は常に強敵に揉まれている。「プレミアでやってますし、あとはアーセナルの練習でもかなりレベルが高い中でやらせてもらっている」と自信を見せる。

では冨安が考えるドイツ対策は何か。

「シンプルで能力ある選手たちが多いですが、ドイツというより『初戦が大事』だと思っています。まずはしっかり無失点で抑える時間を長くすることが大事で、相手よりも自分たちがやるべきことを整理してということだと思います」

冨安はチームの手応えを「ここまでしっかり整理しながら準備できてると思うんで、いい感じで来ている」と言い、自身については「いつもどおりやれればいい」と語った。

確かに冨安の力は必要だろう。だが急ピッチで調整しており、全体合流は20日。ここで再発したらワールドカップではそれ以上プレーできないことになる。冨安は意欲を見せていたが、森保一監督にとっては悩ましいところだろう。


【文:森雅史@ドーハ/日本蹴球合同会社 撮影:岸本勉/PICSPORT】