議題は「どこまで静岡県境に近づく気か!?」リニア新幹線トンネルめぐり 県・JR 7月以来の協議へ
県境ギリギリまで近づくのもNGでは、との意見です。
県外工区が県内へ影響ありとの懸念
試験運転が行われているリニア新幹線の車両(乗りものニュース編集部撮影)。
静岡県は2022年10月13日(木)、リニア中央新幹線の南アルプストンネル建設工事に関して、JR東海あてに協議と説明を求める文書を発出しました。
文書では、静岡県中央新幹線環境保全連絡会議地質構造・水資源専門部会を開催するとしています。これは、7月に行われた第8回以来となります。
議題は「どの時点で静岡県境へ向けた工事を止めるのか」。あわせて、「工区設定理由等」について、JR東海から説明を求めるとしています。
長大な山脈をつらぬく南アルプストンネルは全長約25kmで、長野・静岡・山梨の3県にまたがっています。そのうち、長野県側・山梨県側からそれぞれ、静岡県境をめざして掘削が進められています。
それについて今回、静岡県の難波喬司理事は「トンネル掘削が県境付近に近づけば近づくほど、山梨県側のトンネル湧水として静岡県内の水を引っ張る量が増え、結果として、大井川の水資源へ影響が生じることが懸念されます」としています。つまり、静岡県内を工事するだけでなく、静岡県の周辺を工事すること自体にも問題がある、との主張です。
このため、次回の協議で「どの時点で山梨・長野の工区をストップするのか」を明らかにする構えです。
協議の場である専門部会の日時は、別途決定するとしています。
前回(第8回)の専門部会では、発生土置き場の問題、トンネル湧水のリスク管理とモニタリング、湧水の県外流出への「大井川戻し」の方策の3点が話し合われています。また、9月には山梨工区の進捗が県境まで約1.1kmのところへ近づいたことから、工区設定理由に関してJR東海へ説明を依頼。JR東海から回答がありましたが、今回の文書で県はこれに対して「十分にお答えいただいていないものであると受け止めております」としています。