BLOGOS10周年にあたって【編集長より】 - 田野幸伸
※この記事は2019年10月07日にBLOGOSで公開されたものです
2019年10月5日(土)、BLOGOSは10周年を迎えました。2日遅れとなりますが、なにぶん働き方改革中ですので、平日のお知らせとなることをお許しください。
これもひとえに、設立の2009年から長きにわたりブログを寄稿してくれた皆さま、取材や記事執筆でお世話になった皆さまのおかげです。
私が編集部に籍を置くことになったのはBLOGOS設立から1年経った2010年。前職でニュース番組や選挙特番を手がけていたことから、今はなき株式会社ライブドアに転職することとなりました。
ファーストキャリアだったラジオ番組の制作からネットの動画制作を経て、政治や社会問題を取り扱うニュースサイトに移ったわけですが、当時はインターネットメディアが政治取材をすることが難しく、毎日東奔西走していたことを記憶しています。
その後、LINE NEWSなどへの社内異動によりBLOGOSを離れたものの、前編集長だった大谷の退職にともない、2016年より二代目の編集長として現在の立場に収まることになりました。
私が編集長になってからは大谷の路線も踏襲しつつ、「わかりやすさ」「楽しさ」にも重点を置き、グラビアやグルメなど、ホッと一息つける記事も増やしてまいりました。
ところで、ゼロ年代からネットメディア業界に関わっていると、自分たちだけでなく、周囲の環境も大きく変わってきたことに気づきます。
長らく多くの媒体のトラフィック源でもあったポータルサイトは徐々に力を弱め、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアが隆盛を極めたかと思いきや、米大統領選後に巻き起こった一連のフェイクニュース騒動などにより社会問題化、その後はネットメディアにも社会的な責任が求められるようになりつつあります。
ビジネス面でも、長年ネットメディアを支えてきたアドネットワークやアフィリエイト、タイアップ広告から、徐々にブランディング広告や課金など、これまで難しいと思われていた収益化の手法がポピュラーになってきています。
そこで、今月の特集では「ネットメディアの現在地」と題し、業界のキーパーソンたちにネットメディアのこれからについて論じていただきました。
この業界では「メディアの未来」のような催しがしばしば行われるのですが、そのほとんどは内輪向けのもので、揶揄の対象となることもあります。
実際のところ、本特集もそういった誹りは避けられない部分はあります。しかしながら、多くの皆さんが普段触れているネットニュースがどのような課題を抱え、未来を描いているのか、そして、我々情報の送り手はどのようなことを考えてメディアを運営していくべきか、この機会にぜひ一緒に考えていただければと思います。
11年目に入りました「BLOGOS」。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
BLOGOS編集長・田野幸伸