テスラが2022年4月20日に、1〜3月までの第1四半期の決算報告を発表しました。これにより、総収益が前年同期から81%増して187億5600万ドル(約2兆4000億円)に達し過去最高益を記録するなど、好調な業績が続いていることが示されました。

Tesla Vehicle Production & Deliveries and Date for Financial Results & Webcast for First Quarter 2022| Tesla Investor Relations

https://ir.tesla.com/press-release/tesla-vehicle-production-deliveries-and-date-financial-results-webcast-first-quarter

Tesla (TSLA) earnings Q1 2022

https://www.cnbc.com/2022/04/20/tesla-tsla-earnings-q1-2022.html

テスラの発表によると、同社は2022年第1四半期に約30万5000台の自動車を生産し、約31万台を売り上げたとのこと。



旺盛なEV需要に支えられて、自動車関連の収益は前年同期比87%増の168億6100万ドル(約2兆1600億円)、総収益は前年同期比81%増の187億5600万ドルとなりました。



テスラは、販売台数だけでなく1台あたりの売上高も増やしており、自動車関連の粗利率は2021年第1四半期の26.5%に対し、2022年第1四半期は32.9%と過去最高になりました。同社は利益の伸びについて、「自動車の平均販売価格を上げ、納車台数を伸ばしました」と説明しています。

テスラのイーロン・マスクCEOとザック・カークホーンCFOは発表の中で、「2022年には2021年の数字を最低でも50%上回るほどの成長ができることに自信を持っています」と述べました。一方で、中国で新型コロナウイルス感染症がまん延しロックダウンが行われた影響で、「売上高の増加」が1カ月分失われたとも指摘しています。

カークホーン氏はロックダウンの影響について、「限定的ながら生産が再開されており、できるだけ早くフル生産に戻せるよう取り組んでいる」と話しました。

ロックダウンより一時操業停止を余儀なくされたテスラの上海工場では、ワクチン2回接種が完了した人を中心とした一部の従業員が住み込みで働いており、工場内で寝袋を使って寝泊まりしている実態があると報道されたことがあります。

テスラの上海工場で従業員が工場での寝泊まりを強制されているという報道 - GIGAZINE



こうした事業環境の悪化にもかかわらず、マスク氏は「2022年中に150万台は生産できると見込めます」との見通しを示しました。マスク氏によると、テスラに自動車を注文している顧客は長い納車待ちに直面しており、一部の納車は2023年まで待つ必要があるとのことです。

一方マスク氏は、「完全な自動運転に関して言うと、これまで携わってきた技術開発の中で、これほど突破できそうで突破できない『偽の夜明け』を目にしたことはありません」と述べて、自動運転車の実現に予想以上の時間がかかっていることを認めました。