久常涼がスペインへ飛ぶ(撮影:米山聡明)

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<関西オープン 最終日◇17日◇よみうりカントリークラブ(兵庫県)◇7180ヤード・パー71>
昨年初シードを獲得し、今季は10代でのツアー初優勝の期待がかかる久常涼が、10番からスタートした前半の上がり4ホールをバーディ、イーグル、バーディ、バーディと驚異的な追い上げ。このまま上位に食い込むかと思われたが、後半のアウトコースで逆にスコアを2つ落とし、通算2オーバー・40位タイで4日間を終えた。
「後半のプレーはもったいないと思いますが、(前半の)15番からすごくいいプレーができたので、いい感じのフィーリングをつかめそうです」と久常。実は、4月21〜24日にスペインのレイクスコースで開催されるDPワールドツアー(欧州男子ツアー)の「ISPS HANDA選手権 in スペイン」に出場するため、この日のうちにスペインへ向けて出発するという。
日本ゴルフツアー機構(JGTO)に与えられた5つの推薦枠を使っての出場となるが、シード選手で希望するのは久常のみだ。アグレッシブな性格だけに、ひと暴れしてきますというコメントが出るかと思いきや、意外にもトーンが低い。
「今回の開催コースは今年のDPワールドツアーのファイナルQTを開催するコースらしいんです。自分としては挑戦するつもりなので、下見を兼ねて出場することを決めました」というのだ。詳細は現時点で決まっていないが、例年だと8月最終週に開催される大会終了時点で国内男子ツアーの賞金ランキング30位以内に入っていれば、希望する上位3選手にファイナルQTからの出場権が与えられる。
「そのためには、国内ツアーでもしっかり結果を出さなければいけませんが、まずはコースを見ようかなと思いました」。久常が米国男子ツアーではなく、欧州男子ツアーを選んだのはシステム上の問題になる。米国の場合、下部のコーンフェリーツアーのQTを通過し、1年間そこで戦ってから、初めて米国男子ツアーの道が開ける。しかし、DPワールドツアーにはそのシステムがないので、いきなり上位ツアーに出場できるのだ。
今回は飛距離や正確性など、自分のゴルフがどこまで通用するのか具体的なテーマを持たずに挑戦するが、上位に入れば、翌週の大会に出場できるチャンスもある。「そうなれば、もちろん出場します」と久常。岡山・作陽高校の先輩である渋野日向子のように、海外に拠点を持つことが目標だが、今回のDPワールドツアー挑戦はその第一歩となる。(文・山西英希)

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