この記事をまとめると

■メルセデス・ベンツの多目的車両「ウニモグ」は個人所有も可能だ

■乗用車的な装備を付けた「アーバンウニモグ」はハイギヤード化されており快適

■全長はミディアムクラスのミニバンよりも短くて見切りもいいため運転はしやすい

法人だけでなく個人に向けても販売されているウニモグ

 クルマ好きならウニモグはご存じだろう。メルセデス・ベンツの産業用車両で、ウニモグを日本語にすると多目的動力装置となる。つまり、形としてはトラックに見えるが、本来の目的は1000種類にもなるさまざまなアタッチメントなどを付けて、工事や保守などに使用するための車両だ。

 実際に見るのは珍しくなく、高速道路の保守に使われていたり、競馬好きの方なら競馬場で見かけることが多いはず。また、東日本大震災の際には、メルセデス・ベンツが寄贈して話題になった。有名なところでは、元スバルのデザイナーであり、ミュージシャンで、公認サンタクロースでもあるパラダイス山元氏が所有していたりもする。

 もろちん、個人で所有することは可能で、一時、ヤナセ系列にあったウエスタンモータースがアーバンウニモグとして乗用車的な装備を付けたモデルを売っていたほどで、今でもたまに中古車市場に出てくる。ちなみに1990年代半ば当時は1000万円ぐらいだった。

 現在もその流れを汲むワイエンジニアリングという会社が新車を輸入していて、法人だけでなく、個人への販売も行っている。

Mサイズミニバンよりも短い全長で扱いやすい

 実際に、アーバンウニモグは乗ったことがあるが、感覚としては普通の中型トラックを運転しているのと同じで、とくに扱いづらい感じはなし。

 コクピットの表示には、どんな国のどんな地域の人でも使えるようにという配慮から、ギヤのハイローの表示が「うさぎと亀」のようにイラストも多用されており、ウニモグならではのディテールにあふれていた。

 そのほか、産業用に使われていたものの払い下げを買うこともできるが、オーナーによれば、走りは快適ではないとのこと。快適だったアーバンウニモグとの違いは駆動系のギヤ比で、産業用なのでスピードを出す必要もないため、低速重視のローギヤとなる。アーバンウニモグはハイギヤード化されているので、高速道路でも普通に走ることができる。

 そのほか、所有上の問題点はいろいろあって、部品が高いのは仕方がないとして、古いモデルだと排ガス規制に引っかかって登録できないことが一番大きい(最近のモデルはユーロ6にもパス)。

 免許に関しては、車両総重量、車両重量によるが、普通免許で運転することはできる。また、サイズはアーバンウニモグで、全長=4.4m、全幅=2.1m、全高=2.6mほど。全幅はかなり大きいが見切りはいいし、全長はミディアムクラスのミニバンよりも短いので、取りまわしはしやすい。

 興味があって条件が合う方は所有してみるのもいいだろう。