プロデビューの河本力をはじめ、開幕戦で若手が存在感を放った(撮影:上山敬太)

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<東建ホームメイトカップ 最終日◇3日◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重県)◇7062ヤード・パー71>
男子ツアーの国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」は“新顔”の活躍が目立った。トップ10以内の15人中4人がプロとしてツアー出場1〜2戦目。ツアーの新戦力として今シーズンが楽しみになる開幕戦だった。
まず、平均飛距離310ヤード以上を誇る河本力はプロデビュー戦。10位タイから出たこの日、4バーディ・ボギーなしの「67」で回り、トータル9アンダーで単独7位に入った。「ノーボギーで回れたのがすごく自信になります。ピンチがたくさんありましたが、それを全部クリアできた。練習してきたショートゲームがうまくなっていることを実感できた。プロデビュー戦でこの位置でプレーできたのはすごくよかった」と4日間を振り返った。
7位の獲得賞金は429万円。前日に話していた大学の奨学金290万円を一括返済できる賞金を手にした。「すごくうれしいですけど、これで満足せずにもっと上を目指して努力していきます」。今季は下部のABEMAツアーが主戦場となるが、「ABEMAで年間3勝するのが目標ですが、レギュラーツアーに出させていただいたときには、優勝争いできるように頑張って、チャンスをつかみたい」。次戦の「関西オープン」は大会の予選会を通過しており、出場権を持っている。
続いて、プロ2戦目の岩崎亜久竜は初日から好位置を守り、最終日最終組と緊張感の中でのラウンド。前半こそボギーが先に来て1つ落として折り返したが、後半4つ伸ばして「68」で回り、トータル11アンダーで単独5位。
「目標は優勝だったんですけども、それに近い順位で終われてよかったです。日大の先輩がすごく頑張っているので、それに負けないように活躍したいです」。河本に負けない300ヤード超えの飛距離を誇る岩崎。左手1本素振りのルーティンを守って、次の優勝の機会は逃さない。
昨年12月にプロ転向したばかりで、プロデビュー戦となった赤い帽子がトレードマークの青山晃大。こちらもボギーが先にくる苦しい展開だったが、後半に伸ばして「70」。トータル7アンダーで9位タイに入り、「トップ10以内」の資格で次戦の関西オープン出場権を手にした。
「4日間、最高の出来でした。途中から関西オープンの出場(10位以内)がちらついて緊張して、最後はボギーにしてしまいましたが、最後までくらいつくことができて、よかったです」。
プロ転向後、獲得賞金は「20〜30万円」と話していたが、1週間で約290万円稼いだ。「初出場でこんなにいい結果。改めてこの舞台で戦ってみたいと思いました。この環境の中で戦うことができれば、早く上手くなれると思います」。
QTランキング555位とレギュラーツアーどころかABEMAツアーの出場資格もなく、リランキングの対象にもなっていない。「関西オープンでも予選通過して、トップ10に入って次の試合に…可能性を広げていきたい」。555位からのシンデレラストーリーに期待したい。
そしてもう1人が、最終日4バーディ・ボギーなしの「67」で回り、トータル7アンダー・9位タイに入った篠優希だ。2015年の「日本ジュニア」覇者で15年にプロ転向したが、極度のドライバー不振に陥り、この試合がプロになってからレギュラーツアー2試合目。
ドライバーの不振を克服し、昨年末のファイナルQTで4位に入って今季前半戦の出場権を獲得した24歳。「ボギーをたたかないことを心掛けて4日間戦いました。今日はボギーがなかったのはよかったです。安定した戦いで今季のシード権を取りたい」。開幕戦でつかんだ自信を連戦の糧にする。(文・小高拓)

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