開幕戦でフレッシュマンたちが活躍 岩崎亜久竜(上)と青山晃大(撮影:上山敬太)

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<東建ホームメイトカップ 3日目◇2日◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重県)◇7062ヤード・パー71>
4月に入り入社式、入学式のシーズンを迎えているが、男子ツアー国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」でも初々しい選手たちが上位につけている。
■岩崎亜久竜は打つ前に“左手一本”で素振り
初日3位タイで発進し、6位タイで予選通過した岩崎亜久竜(いわさき・あぐり)は、この日6バーディ・2ボギーの「67」。トータル8アンダー、首位と4打差の3位で最終日最終組に入った。プロ3年目、24歳の岩崎は、昨季下部のABEMAツアーを主戦場として賞金ランキング22位。昨年末のファイナルQTで9位に入って前半戦の出場権を手にした。
ここまでの3日間は岩崎の武器である300ヤード超のドライバーショットと、オフに強化したショットの安定感を発揮している。ボールを打つ前に左手1本でクラブを持ち、右手を左肩に当てながら素振りを行う。「手打ちにならず、左肩で始動するためです。いつものルーティンです」。打つ前に理想のスイングの動きを意識することで大崩れしない。
この日は1番と18番で2つのボギーをたたいたが、15番からの3連続を含む6つのバーディで上位に浮上。「最後のボギーは悔しいですが、3連続バーディあたりからすごくいい集中ができました」とレギュラーツアーで初めての決勝ラウンドとは思えない堂々としたプレー。「優勝目指してがんばります」とあすもルーティンを崩さず戦い抜く。
■青山晃大はゲン担ぎでいつも赤い帽子をかぶる
そしてもう一人は、昨年12月にプロ転向したばかりの22歳、青山晃大(あおやま・こうだい)。第3ラウンドは1イーグル・3バーディ・2ボギーの「68」。首位と6打差の7位タイにつけている。アマチュア時代にレギュラーツアーは3試合に出場したことがあるが、いずれも予選落ち。
アマチュアとして出場したQTは1次で敗退し、出場優先順位は555位。この試合には推薦でプロとしてのツアーデビューを果たした。「まさか決勝ラウンドに残っただけでもびっくりです」。強風の中で行われた第2ラウンドで「67」で回り、「昨日の流れで今日もいい集中力を保てています。実力以上のものが出せていると思います」とここまでの成績には自身でも驚き、謙虚に受け止める。
青山は開催地のお隣、愛知県名古屋市出身。実家が練習場を営んでおり、物心ついたときからクラブを握り、プロゴルファーを目指した。昨年12月に行われたミニツアー出場を機会にプロ転向。この試合の優勝賞金は60万円だが、青山は20位で約2万円の賞金を獲得。この他ツアー外競技に出場しての獲得賞金は「20〜30万円。プロとして賞金を稼ぐ難しさを感じています」と話すが、今大会では一桁多い金額を稼げるチャンスを迎えた。
青山のトレードマークは赤い帽子。「小学生の頃、赤い帽子で出た試合で良かったので、そこからゲンを担いでいます」。最終日も当然赤い帽子で戦う。「ツアーの出場権がないので、トップ10以内に入って次戦の出場権を手にしたい」。開催コースの東建多度CC・名古屋のメンバーに知り合いがいて、青山自身も年間30〜40回ラウンドする、いわばホームコース。地の利を活かして最終日に臨む。(文・小高拓)
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