ウクライナ侵攻を続けるロシアへの制裁措置としてVisa・Mastercard・JCBはロシアでの決済処理を停止しており、ロシアではゲームのダウンロード購入が困難となっています。そんな状況の中、「Loop Hero」などのゲームを開発するロシアのゲーム開発企業・Four Quartersが自社製ゲームの海賊版プレイをユーザーに推奨しています。

Russian game dev tells players to “raise the pirate flag” to get around sanctions | Ars Technica

https://arstechnica.com/gaming/2022/03/loop-hero-dev-encourages-piracy-to-get-around-russian-sanctions/

開発企業によって海賊版のダウンロードが推奨されているゲーム「Loop Hero」は自動戦闘・ハクスラ・ローグライクといった要素を組み合わせたゲームで、記事作成時点ではPC版とNintendo Switch版が存在しています。「Loop Hero」が一体どんなゲームなのかは、以下のレビュー記事で詳しく解説しています。

無限ループする世界をオートバトル×ハクスラ装備×ローグライクで切り抜ける「Loop Hero」プレイレビュー - GIGAZINE



ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以降、任天堂・ソニー・Microsoftといった大手ゲーム企業はロシアへの製品出荷を停止しています。また、ロシアでは、Visa・Mastercard・JCBでの決済処理が停止しており、Steamなどのゲーム販売プラットフォームの利用が困難となっています。加えて、Steamはロシア・ウクライナ・ベラルーシの開発者に対して「決済処理の問題で売上を送金できない」という旨を2022年3月に通知しており、Four Quartersを含むロシアを拠点とするゲーム開発企業には厳しい状況が続いています。

この状況の中、Four Quartersは2022年3月27日に公式SNSアカウント上で「最近、Steam版やNintendo Switch版の『Loop Hero』の購入方法について多くの問い合わせを受けています」「この困難な状況下では、私たちは海賊旗を掲げることの手助けしかできません」と述べ、大手Torrentファイル共有サービス「RuTracker.org」に投稿された海賊版「Loop Hero」へのリンクを共有しました。



その後、Four Quartersは2022年3月28日に公式SNSを更新して「1カ月前に中断したアップデート作業を開始した」「Nintendo Switch版のパッチ開発に取り組み中」「今のところPlayStation版・Xbox版の計画は存在しない」といった新情報を公開。さらに上記の投稿に寄せられた「Four Quartersへ寄付したい」といった旨のコメントに対して「皆さまの支援に感謝しています。しかし、この大変な時期には自身の家族や友人に支援の手を差し伸べてください」と返答しました。



なお、Four Quartersはウクライナ侵攻開始の翌日にTwitterへ「We are against war(私たちは戦争に反対します)」と投稿しており、戦争反対の意思を明確に示しています。