派遣社員として働いている方は、派遣社員として登録している先と勤務している先が異なることから、クレジットカードやローンの申込時に勤務先や勤務年数をどう書けばいいのか悩むところではないでしょうか。

また契約は3か月更新がほとんどなので、勤務年数についてもどのように申請すればいいのかも分かりかねるところです。

そこで今回は派遣社員がクレジットカードやローンに申込むときに、勤務先をどう記入すればよいのか、審査に不安があるときはどうしたらいいのかについて書いていきます。

クレジットカードの申込では派遣元と派遣先のどっちを書けばいいの? どんな書き方をすれば分かってもらえるの? とみんなが迷うところです。

派遣社員が申込時に迷う3つの箇所

派遣社員は登録先から派遣されて仕事をすること、3か月更新の契約であることからクレジットカードやローンへ申込むときに迷ってしまう箇所が3つあります。

その箇所と解決策を合わせて確認していきましょう。

1.勤務先はどう記入するの?

勤務先は、まず自分が派遣社員であることを選択したあとに記入していきます。

(例)属性の選択

属性を選択した後に勤務先が出てきますので、順番に埋めていきましょう。

(例)勤め先

例として画像を載せていきますが、派遣社員の場合の勤務先は登録している派遣会社の名前となります。

登録先が例えばマンパワージャパンであれば、その名前ということになります。

そして自分は派遣社員なので、勤め先の所属部署に現在働いている会社名や部署名を記入していきます。

例にある職種は派遣先で行っている業務から選択していきましょう。

この例では記入数は多くありませんが、なかには業種、職種、所在地の記入欄があるとこともあります。

実際に仕事をしている先は登録場所とは異なるので、そのことが分かるように記入することが大切です。

<解決>
勤務先は登録している派遣元、職種は派遣先で行っているもの、部署名は派遣先の会社名(部署名)で記入していきましょう。

<注意点>
派遣社員として登録しているものの、今は派遣されていない状態のときは勤務先を派遣元としますが、実際に派遣されていないので業種や部署名は書けません。

つまりこの場合は、派遣社員に登録しているだけで働いてはいないので無職、無収入となってしまいます。そのため、次の派遣先が決まっていないときや派遣されていない間に申込むのは避けた方がいいでしょう。

2.勤務年数の書き方は?

派遣社員は、3か月ごとの更新のため半年で別の会社に勤務先を変えた方やずっと同じ会社で仕事をしているという方もいます。

もし半年でA社の派遣社員の契約を満了とさせ、B社へ新しく派遣社員として勤め半年が経っているというときは、本来ならば会社も部署も違うので勤務年数は半年と書くことになります。

ただし、A社からB社へ行ったときの間が1か月未満で、すぐに切り替えて働いたという場合は、勤務年数は合算で1年でも良いでしょう。

勤め先は違ったとしても、間を開けずに派遣社員として働いているためです。

申込先から勤務年数について確認の連絡が来た時に、説明するといいでしょう。

<解決>
勤務年数は同じ会社(部署)で務めている年数を書くのが基本ですが、別の会社に移っても間がなく勤めているという事実があれば、説明も証明も出せるためトータルの年数を記入しましょう。

<注意点>
A社に勤めて契約満了となったあとに3か月以上経っているときは「継続的に勤めている」という説明は難しいので、そのときは新しく派遣された時期からの勤務年数を記入してください。

3.勤め先の電話番号は?

派遣社員の場合、勤務先の電話番号は派遣元か派遣先かについても悩むところでしょう。

この場合は登録をしている派遣元の電話番号を記入しておきます。

派遣先の電話番号を書いてしまうと申込先から電話があったときに、行き違いや派遣社員と言うことで把握されず、在籍確認が取れなかったということがあるためです。

派遣元に電話が行ったときは、今はどの会社に派遣されているのかも分かるので、派遣元の電話番号を書くのがいいでしょう。

<解決>
自分が登録している派遣元の電話番号を記入しておきましょう。

<注意点>
登録している派遣会社に支社があるときは、自分が登録をした派遣会社の支社名までと、その電話番号を書くようにするとスムーズです。

派遣社員という属性で審査を不安に思わないこと

クレジットカードやローンは利用者の支払いを立替え、後日回収するという流れとなります。

そのため、基本的には安定した収入があり、支払い能力があると判断された方が利用することができます。

つまり属性が派遣社員だからクレジットカードやローンに申込めないということではないのです。

派遣社員だから不利ということではなく、今までの利用状況や選び方が大切です。

もし申込前に審査が不安な場合は、下記の4つのポイントをチェックしてみましょう。

1.自分に合った申込資格のクレジットカードに申込む
2.今までのクレジットカードやローンの利用履歴を思い出してみる
3.在籍確認の連絡にしっかりと対応する
4.スマホ端末の分割料金が遅れずに支払っているかを確認する

ではそれぞれについて説明してきます。

1.自分に合った申込資格のクレジットカードに申込む

実はクレジットカードには「申込資格」といって、事前に「こんな人であれば申込できますよ」ということが書かれています。

(例)
□エポスカード:満18歳以上の方(高校生を除く)で、日本国内に居住されている方に限らせていただきます。
□ 三井住友カードゴールド:原則として満30歳以上で、ご本人に安定継続収入のある方。
□ 楽天カード:満18歳以上の方。

エポスカードであれば18歳未満、または国内に住んでいない方は申込資格を持っていないことになりますし、三井住友カードゴールドであれば30歳未満で安定した継続収入がない方は申込めないということになります。

楽天カードは18歳以上であれば申込資格があるので、申込のしやすさはあるでしょう。

このように自分の年齢や居住、収入が決められているのに、自分が当てはまらずに申し込んだ場合は発行を見送られてしまうので、申込前に申込資格は確認しておくと良いでしょう。

2.今までのクレジットカードやローンの利用履歴を思い出してみる

収入もあり、今までクレジットカードやローンを利用し、遅延や滞納などがない場合は、新規申込もそれほど心配しなくても良いでしょう。

ただ、過去に金融事故を起こしてしまっているときや遅延による連絡を何度も受けたことがあるときは、立替えの分を回収できないと判断され利用が見送りになる事もあります。

3.在籍確認の連絡にしっかりと対応する

派遣社員は登録となっている派遣元から派遣されて働くことになるので、勤め先が2か所あるような感じにも取れます。そのため登録をしている派遣会社を勤め先にするのか、派遣されているところを勤め先として記入するか迷ってしまうことでしょう。

クレジットカードやローンは在籍確認がないとは言えません。

勤め先や勤務年数などの確認連絡が取れるように、あなたのことが聞けば分かる登録の派遣会社を連絡先にしておくと安心です。

もし連絡が心配であればあなたをフォローしてくれている担当者に「クレジットカードに申込をして、勤め先を派遣会社としたので連絡があったときはよろしくお願いします。」と伝えておくといいでしょう。

4.スマホ端末の分割料金が遅れずに支払っているかを確認する

今はスマホ端末を分割で支払っていくことが普通になってきました。

電話料金と合算だから、数日繋がらなくても苦ではないと料金を遅延してしまうとクレジットの利用履歴(信用情報機関)に記録を残されてしまうことがあります。

これは例え合算であってもスマホの使用料金と端末料金(分割)では関わっている法律が異なっているためです。スマホの端末料金の分割はクレジットカードの分割と同じ法律となるので遅延や延滞があると信用情報機関に情報が保管され、新規のクレジットカードやローンの申込が不利になってしまうのです。

それでも審査が心配だというときの選び方

若い頃に携帯電話の料金を何度も遅延してしまった、クレジットカードの支払いが遅れてしまったことがあるなど、歳を重ねてからいざ申込もうと思っても、このことが気になり申込めないという方もいることでしょう。

信用情報機関は事があってから5年程度、記録が残るため、遅延や延滞をしてしまった経験のある方は最後に事が起きてから何年経っているかを思い出してみてください。

また一度迷惑をかけてしまったクレジットカードやローンでは、信用情報機関は残っていなくても自社で情報を管理しているところもあるので、以前持っていたクレジットカード、利用していたローンには申込まないようにするというのも、ひとつの方法です。

今は昔よりもクレジットカードの種類が増え、地方銀行や地方信販でもクレジットカードを発行しています。審査が心配でもクレジットカードを持ちたいというときは、今まで利用したことがない発行先のものを選んだり、地方銀行、地方信販のものを選んだりしてみるのもいいでしょう。

文/クレジットカード研究Lab 編集責任者 志田愛仁(https://card-lab.com/profile/)
運営会社 バリューファースト(https://valuefirst.co.jp/)
雑誌編集者を経て、紙媒体とWEBの両方でライターを経験してきたバリューファーストの編集責任者。取材などで集めたクレジットカード情報やお得な使い方を伝えていきます。