まもなく登場!? ホンダ新型「ヴェゼル モデューロX」ってどんな乗り味? 雪道でプロトタイプに乗ってみた
圧雪路は「とても乗りやすい!」
2022年1月に開催された「東京オートサロン2022」でコンセプトモデルが公開されたホンダ「ヴェゼル モデューロX」。新型ヴェゼルをベースに、ホンダアクセス社が開発を担うカスタマイズモデルです。
同社はホンダ車の純正アクセサリーを担当するホンダの関連会社ですが、「モデューロX」は純正コンプリートカーとしてメーカーの製造ラインで手を加えたカスタマイズ仕様の完成車として販売。トヨタの「GRスポーツ」や日産の「NISMOロードカー」などと同じくカスタマイズカーながら通常のカタログモデルと同様にディーラーで購入でき、購入時のローンや保証なども標準車と同様なので心配いりません。
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これまでモデューロXは、「N-BOX」や「ステップワゴン」「フィット」「S660」そして先代「ヴェゼル」など7車種で展開。そして次に登場するのが新型ヴェゼルというわけです。
新型ヴェゼル モデューロXの発売はまだ先ですが、早くもそのプロトタイプに雪上で試乗することができました。まだ開発中なのでプロトタイプは市販確定の仕様ではありませんが、ほぼ最終仕様とのことです。
まずうれしいニュースは、先代同様に4WDが用意されていることでした。
先代のヴェゼル モデューロXは モデューロXとしてはじめて4WDが用意され、降雪地のユーザーに喜ばれました。新型でも引き続きFFに加えて4WDが展開され、今回の試乗車も4WDです。
標準車に対するカスタマイズメニューのポイントは、エアロパーツとサスペンション。前者は“実効空力”として風を味方につけ、車体の浮き上がりを抑えるとともにタイヤにかかる荷重を揃えてハンドリングを高める効果が自慢です。
後者はスポーティな仕立てとしていますが、サーキット走行のような限界領域の速さを目指すのではなく、街乗りも考えたしなやかな味付けとしています。
そんな新型ヴェゼル モデューロXのプロトタイプで雪道を走ってみました。
なんといっても印象的なのは、とても乗りやすいこと。試乗コースは基本的に圧雪路で滑りやすく凹凸のある路面ですが、場所により凍っていたり、また逆にコーナーでわずかにアスファルトが露出している場所もあるなどリアルワールドに近い状況でした。路面の滑りやすさが一定ではない、ややこしいコンディションです。
しかしながらヴェゼル モデューロXはハンドルがとられにくく、旋回中のハンドル修正も少ない印象。だからとても運転しやすいのです。
じつは、足まわりを硬くすると、雪道など滑りやすい路面では接地性が低くなり挙動が乱れがち。でも、荒れた路面でもしなやかに走れることを目指したモデューロXのサスペンションは外乱に強く、雪道とのマッチングがいいことを実感しました。
新型ヴェゼル モデューロXの発売は「2022年内」
また、細かい凹凸のある路面にもかかわらず乗員に伝わる振動が少なく、乗り心地がいいことにも驚きました。それもしなやかなサスペンションが効いているのでしょう。
開発エンジニアによると「運転しやすさには空力も効いている」といいます。
一般的には「空力は高速じゃなければ効かない」というイメージがあるかもしれませんが、特性は高速域で一気に変化するわけではありません。
たとえば自転車を漕いでいるときはちょっとした向かい風でも大きな抵抗となり、進むためにより多くの力が必要ですが、それはすなわち低い速度域でも風が及ぼす影響は大きいということです。
そしてクルマは、実用的な速度域からでも少しずつ効果を発揮しているので、雪道を走るような速度域でも空力が走りに影響を与えるというわけです。
決して「雪道では空力が関係ない」ではないのです。
筆者のセンシング能力では、新型ヴェゼルモデューロXの雪道での走りやすさや安心感のうち、どこまでがサスペンションの効果で、どこまでが空力の効果なのかをしっかりと感じることはできませんでした。
ただし、とにかく乗りやすいということは間違いありません。
また、ヴェゼルの4WDシステムは走行状態により前後トルクを50:50まで分配するので、ドライバーのアクセル操作次第ではテールスライド気味に後輪駆動車のようなハンドリングを楽しむこともできます。
雪道での運転がエモーショナルなSUVだというのもしっかり確認できました。
ホンダによると、新型ヴェゼル モデューロXの発売は「2022年内」とのこと。先代はヴェゼルの登場からかなり時間が経過してのデビューでしたが、比べると新型は早いタイミングでの登場となるようです。