昨年は世代最初のメジャー覇者になった西村優菜(右) ここからは海外も視野に戦う(撮影:GettyImages)

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2020年、21年が統合された昨季の国内女子ゴルフツアーで、賞金ランキング、メルセデス・ランキングのいずれかで50位以内に入った52人がシード選手として、22年のフル出場権(一部大会を除く)を手にした。そのうち米ツアーに主戦場を移した笹生優花を除く12人の初シード選手をここで紹介する。今回は西村優菜(賞金5位、メルセデス4位)。
“初シード”でくくる選手の域を超えた活躍を20-21年シーズンに見せつけた。ツアーで最小兵の身長150センチだが、その手で大きな大きなタイトルもつかみとった。
古江彩佳、吉田優利、安田祐香らと同じプラチナ世代の注目選手としてプロテストに合格したのが19年の11月。同年末のQTで20年シーズン(のちに21年と統合)のレギュラーツアー出場権を手にしたが、開幕戦となった20年6月の「アース・モンダミンカップ」ではドライバーが乱れに乱れた。結果はトータル16オーバーで予選落ち。“プロの洗礼”を浴びる形になった。
しかし、地道な練習のすえフォームを取り戻すと、そこからは脅威の安定感を見せつけることになる。同年11月の「樋口久子 三菱電機レディス」でまずは初優勝。そして年をまたいだ21年5月の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」では世代一番乗りでメジャー制覇を成し遂げた。さらに9月の「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」、「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」では2週連続優勝を達成する。
ルーキーシーズンで4勝はもちろん圧巻だが、51試合に出場しトップ10入り22度は脅威的な記録だ。確率にして43.1%。スタッツを見ても一ケタ順位がズラッと並ぶ。平均飛距離230.76ヤード(64位)とあって、2打目はウッドなど長いクラブを持つ機会は多いが、たゆまぬ努力でそれをほかの選手のアイアンやウェッジのように扱う技術を身につけた。
とはいえ、長いシーズンを戦うなかで課題も浮き彫りになった。終盤にかけて疲労が蓄積し、体重も5キロほど落としたことを問題視。その克服に向け、オフには瞬発系トレーニングのほか、有酸素運動も取り入れスタミナアップに取り組んでいる。“初シード選手”として迎えるシーズンの目標に「複数回優勝、海外メジャーに挑戦すること」を掲げる。そのうえで世界ランキングも注目ポイントになる。
開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」に向けては、「ツアー初戦で独特な緊張感がありますが、4日間楽しんで、優勝争いをしたいと思っています」と話す。春の沖縄でも笑顔でプレーする姿が見られそうだ。
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