3月3日から行われる「ダイキンオーキッドレディス」で幕を開ける2022年の国内女子ツアー。だが、今年もこれまでとは大きく異なる点、注目すべきポイントが存在する。ということで「22年の女子ツアーで知っておきたいこと」を予習・復習しておこう。今回は海外挑戦へ意欲を燃やす選手について。
昨年末の予選会(Qシリーズ)を突破した渋野日向子、古江彩佳の本格参戦で、ますます注目度が上がる米国女子ツアー。古江はすでに米本土で2試合を終え、連続で予選通過も果たした。そして国内開幕戦となる3月の「ダイキンオーキッドレディス」と同じ週に、渋野がシンガポールで初戦を迎える予定だ。
畑岡奈紗、笹生優花らも活躍を続ける舞台には、今後も続々と日本のトッププレーヤーが挑戦しそう。そのなかで早々に意思を示していたのが勝みなみだ。「最初は(米挑戦の意思は)なかったけれど、実際に出てみると選手の意識の高さを感じた。練習環境もいい」と、メジャー参戦などを経て魅力を感じたという。本来であれば昨年の予選会受験を考えていたが、エントリー締め切りなどの兼ね合いもあり断念。今年を勝負の年にする。
原英莉花も、予選会参加のため世界ランクを上げることに燃える一人だ。昨年優勝した「大王製紙エリエールレディス」後の会見で、改めて「自分の実力と相談してですが、向こう(米国)に行くため体制を整えたい」と話していた。さらに渋野から『待ってるよ!』と言われたことも明かし、気持ちは大きく海外参戦に傾いている。ただ「自主隔離もあるので、予選は最終から出られるなら挑戦」という方針は貫く予定。まずは国内ツアーで結果を出し、世界ランキングを上げていくことが最優先となる。
昨季メジャー1勝を含む4勝を挙げた西村優菜は、先月27日に行われた住友生命保険相互会社との契約発表会見で、「複数回優勝と世界ランキングを上げること」と目標を話した。これは世界ランキング上位に入り、海外メジャー出場権を得ることが狙い。「自分もいずれ海外で活躍したい。まずは日本でしっかり力をつけて」と、すぐの受験というわけではなさそうだが、同い年の古江も昨年の海外メジャー参戦を経て、“突然”挑戦を決めたという前例もある。可能性がゼロとは言えないだろう。
予選会の正式なレギュレーションは5月に発表を予定しているが、昨年でいうと8月9日時点の世界ランク75位以上であれば、日本のQTファイナルステージにあたるQシリーズ(最終予選会)に直接挑戦することが可能だった。そこに満たない選手は、ステージ1ないしステージ2から勝ち上がる必要がある。現在の3人の世界ランクを見ると、西村が38位、勝が70位と圏内。原は88位と到達してないだけに、世界ランクを上げる必要性を感じているというわけだ。
一方、この3人と対照的なのが昨季賞金女王の稲見萌寧。メジャー大会へのスポット参戦は、「自主隔離などの様子を見て」という条件つきながら意欲的だが、フル参戦については一切考えていない。それは「日本人として日本で一番でいたい」というのが目指すべき姿だから。これからも子どもの頃から目標に掲げる「永久シード」獲得を最優先事項に掲げていく。日本を主戦場にキャリアを過ごしていく意思は固い。
今年のQシリーズは12月1〜4日に第1週、12月8〜11日に第2週が行われる予定。エントリー締め切りは9月上旬になると、米LPGAツアー公式ホームページですでに発表されている。

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