歯の矯正や冠婚葬祭にも利用可能な、銀行の目的別ローンとは?メリット・デメリットを解説
銀行でローンを組むと聞くと、住宅ローンや車のローンなどを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
銀行には、目的別ローンという、さまざまな用途に利用できるローンがあります。例えば、美容や歯の矯正、レジャー、冠婚葬祭などのためにもお金が借りられるのです。
この記事では、目的別ローンのしくみやメリット・デメリットについて解説しています。人生の中のさまざまなイベントで利用できるローンですので、ぜひチェックしてみてください。
銀行ローンのしくみと種類をチェック
銀行には、フリーローンやカードローン、目的別ローンなど、目的によってお金の借り方を選べますが、今回は、目的別ローンをピックアップして紹介していきます。
銀行の目的別ローンとは?
目的別ローンは、住宅や車、美容手術代、旅行代、冠婚葬祭費用など、さまざまな目的のためにお金を借りられるローンです。
〈目的別ローン種類〉
・住宅ローン
・カーローン
・医療ローン
・ビジネスローン
・ブライダルローン
・その他、旅行費や家電の購入、引っ越し費用のためのローンもあり
ローンと聞くと、住宅や車の購入など、大きな買い物に利用するイメージがありますが、実際には、上記で紹介したような趣味や旅行のためなど、生活の中で利用できるローンも多くあります。
目的別ローンの融資のしくみ
銀行のローンには、証書型と極度額型の2種類があります。
目的別ローンは証書型であり、契約時にのみ融資を受けられるしくみとなっています。
目的別ローンの金利って高いの?
ローンを利用する上で気になるベスト3に入るのが、金利の高さではないでしょうか。
目的別ローンは、フリーローンやカードローンなどに比べて金利が低い傾向にあります。
では、どれくらい金利がお得なのか、りそな銀行を例にカードローンと目的別ローンを比較してみていきましょう。
2022年1月現在 / 金利は変動金利
カードローンは、金利の幅が大きく、個人の金融関連の借入状況や借入額などを参考に審査され決定されるため、低い金利になるとは限りません。
一方の目的別ローンは、金利の幅が小さく、最高でも3.975%となっており、カードローンよりも低い金利に設定されています。他の銀行でも同様で、目的別ローンは、金利が低い特長があります。
目的別ローンの返済方法は?
目的別ローンの返済方法は、一括または分割のみとなっています。
カードローンには、リボルビング方式の返済方法がありますが、返済期間が長くなればなるど、利息が膨らみ、なかなか返済が終わらない負のループに入ってしまうことも少なくありません。
目的別ローンは、一括または分割のみのため、返済で利息が大きく膨らむ心配がなく、シンプルに返済をしていけます。
銀行の目的別ローンのメリット・デメリット
目的別ローンを上手に活用するためにも、メリット・デメリットもチェックしていきましょう。
メリット
◇ 信用性が高い
ローンはお金を借りることであることから、提供元の信用性は大切なポイントです。
銀行は、誰でも普段から利用している金融機関であり、反社会的勢力などとのつながりに厳しいため、審査の際には、個人情報に加えて警視庁のデーターベースなどからも情報を得て照合をします。
審査自体は厳しい傾向にありますが、このような信用性と安心感はメリットであるといえるでしょう。
◇ 金利が低め
目的別ローンは、フリーローンやカードローンなどよりも金利が低い特長があります。
例えば、カードローンは、審査難易度はそれほど高くなく、利用限度額までは何度も借入れが可能です。しかし、審査の通りやすさと借入れのしやすさから、貸し倒れの危険性もあるため、金利は高めに設定されていることがほとんどです。
一方の目的別ローンは、使い道が明確に決まっており、契約から審査までも厳しい傾向にあるため、金利は低めに設定されていることが多い傾向にあります。
契約や審査の手間はありますが、このような金利の低さは目的別ローンの代表的なメリットです。
◇ 生活のさまざまな目的に利用が可能
なんといっても、目的別ローンの一番の良さは、生活のさまざまな目的に利用が可能なことです。
フリーローンやカードローンも、使い道は自由ですが、その分、金利は高めで、使いすぎてしまうリスクがあります。
目的別ローンは、使い道を明確にした上で契約をするため、無駄に借りすぎることなく、金利も低めなので、安心して借入れができるでしょう。
デメリット
◇ 審査が厳しめ
目的別ローンは、証書型のローンであることから審査は厳しめで、個人情報はもちろんのこと、収入や過去の借入れ履歴などを細かくチェックされます。
そのため、過去に返済の滞納や踏み倒しなどの金融トラブルがあった場合などは、審査が不利になってしまう可能性があります。
◇ 契約に手間がかかる
目的別ローンは、証書型のローンのため、1回の借入れごとに契約手続きが必要となります。
カードローンは、一度審査に通ってカードが発行されたら、その後何度でも借入れができますが、目的別ローンはそのような自由度はありません。
また、借入れごとに契約書類を揃えて手続きをしなければならないため、忙しい方などにはその手間がデメリットとなってしまうでしょう。
◇ 目的以外の用途にはお金を使えない
目的別ローンは、契約時に資金の使い道がはっきりしている必要があり、その用途に必要な分の借入れしかできません。
しかし、場合によっては、借入れ額が余ってしまうこともあるでしょう。
そのようなときには、原則的には繰り越し返済という形で銀行に返します。
まとめ
人生では、冠婚葬祭や旅行、お祝い事などさまざまなイベントがあります。そのような時に、お金に余裕がなく困ってしまうこともあるでしょう。
そこで便利なのが、今回紹介してきた銀行の目的別ローンです。
目的別ローンは、契約の手間はありますが、目的のために借入れができ、金利も低めであることから、いざという時の助けとなります。クレジットカードやカードローンは高金利であることが多く、返済が長くかかることもあるため、ぜひ目的別ローンを利用する選択肢もあることを覚えておきましょう。
文 / 小林 愛加