高校までは強豪校の野球部。卒業後にプロを目指して研修生となり、わずか3年でQTを突破しプロ転向。最近の若手とはちょっと違った道をたどり、ツアー通算5勝の実績を挙げているのが、きょうで44歳となった高山忠洋だ。
2000年の「中日クラウンズ」でツアーデビューすると、05年の開幕戦「東建ホームメイトカップ」で初優勝を飾り。同年末に行われた翌シーズンの「アジア・ジャパン沖縄オープン」で2勝目を挙げた。08年は左手親指腱鞘炎の影響で、一時ツアーを離脱したが、10年の「サン・クロレラクラシック」で3勝目。11年は開幕戦の「東建ホームメイトカップ」で大会2勝目を果たすと、終盤の「カシオワールドオープン」も制し、キャリア最高となる賞金ランク2位でシーズンを終えた。
その後は病気に悩まされた。「眼球の中に水が溜まっている状態で、水の中に顔つけたときの状態」という目の難病、『中心性漿液(しょうえき)性脈絡網膜症』を患い、18年の夏からツアーを離脱。手術とリハビリを経て、20年9月にようやく特別保証制度で復帰したが、21年5月までの間に、決められた賞金額を獲得することができず、17年連続で保持していたシード権を失ってしまう。それでも諦めずに、主催者推薦や予選会を経て出場した試合で結果を残し、賞金ランク34位で22年のシード復帰を確定させた。
「今までは(試合に)出られることが当たり前でしたが、急に出られなくなって、やっぱりつらかったです」と、苦しかったシーズンを振り返る。
元高校球児らしく“ヘッドスピード50m/s”を「ここでしがみつくには切りたくない数字」と、ひとつの指標にしている。難病を乗り越え、新たなスタート切ったベテラン。得意の開幕戦から優勝を狙う。
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