明るい笑顔の裏に苦悩も隠されていた 脇元華が逆襲を誓う(撮影:GettyImages)

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2018年にプロテスト合格した脇元華。デビュー2年目の19年にQT23位の出場資格でツアーフル参戦すると、賞金ランキング47位でシード権を獲得した。しかし20-21年シーズンは賞金ランキング75位、メルセデス・ランキング80位と苦しみシード陥落。22年の出場権を懸けたQTでも79位と奮わず、主戦場が下部のステップ・アップ・ツアーとなってしまった。地元宮崎の恵まれたゴルフ環境で、シード復活に向けて調整を続ける脇元に話を聞いた。
「20-21年はパッティングに苦しんだシーズンでした。ヘッドスピードが4m/s上がり飛距離はゲットできたのですが、100ヤード以内の距離感も悪くなってしまいました」
脇元のドライビングディスタンスの記録は20-21年が240.71ヤードで20位。19年は231.42ヤードで78位だっただけに大きく平均飛距離を伸ばした。だが平均パット数(1ラウンド当たり)では19年が29.7255で18位だったのに対し、20-21年は31.0088で91位。トレーニングを積み飛距離を手にした代償は大きかった。もともと100ヤード以内をきっちり寄せてバーディを稼ぐスタイルが崩れてしまったのだ。
「19年のパッティング動画を見て、よかったころのストロークを取り戻そうとしました。でも、疲れてきてしまって……。そして気がついたんです。今と以前の自分は筋肉につき方も量も違う。体が変わっているんだということに。変わってしまった体で以前と同じに戻すのは無理。今の自分の体に合ったストロークをつくろう。そう、考えを変えました」
試行錯誤をしていろんなことを試した。でも、しっくりこない。今の自分に合ったことをやろうと考えた脇元が、まず手をつけたのはアドレスの向きだった。きっかけは岩田寛ら男子プロとラウンドしたときだった。岩田らにアドバイスをもらい、「今の自分に合ったことをやろう」と思ったのだという。
「今やっていることが試合でできるかどうか。実は昨年、ゴルフが楽しくない時期があったんです。楽しくないと、自分の力は出し切れません。やっぱり楽しくやることが大事。12月の闇期を乗り越えて、そのことにも気づきました」
ゴルフは試合でも練習でも、メンタルが大きく影響する。闇期を乗り越え、過去を振り返らず前に進む決心をした脇元は大きく進化するはずだ。プロゴルファーを111人育てた坂田塾の塾長、坂田信弘は言っていた。「変化の先に進化あり」と。変化がなければ進化もない。試行錯誤をしてもポジティブに考え、変化することを続ける。その先に大きな進化があるのだ。
脇元の今シーズンの初陣は、レギュラーツアーで推薦出場をもらった地元大会の「アクサレディス」になる予定だ。その前週の「Tポイント×ENEOSゴルフ」と、前々週「明治安田生命レディスヨコハマタイヤゴルフ」の推薦出場も可能性は残されているという。「今やっていることが試合でできるかどうか」。脇元の逆襲は始まったばかりだ。(取材・文/河合昌浩)
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