米Dellは、1月4日から開催されているCES 2022にあわせて、ノートPCの新世代ラインナップを一斉発表した。まずはグローバル発表となるため、それぞれ基本的に日本市場向けの発売は未定のものとなるが、近いうちに「春モデル」として投入される可能性は高いだろう。

○トラックパッドも隠した超ミニマルデザインノート「XPS 13 Plus」

従来のXPSからデザインを一新、より先進的で美しいボディを実現したのが13.4型モバイルノートPC「XPS 13 Plus」(モデル9320)だ。CPUにはAlder Lakeこと第12世代Intel Coreから、発表されたばかりの消費電力枠が28WのPシリーズを採用した。



「XPS 13 Plus」(9320)は無駄をそぎ落としたミニマルデザインが美しい


最大の特徴はやはりそのボディデザイン。外観上は、本来トラックパッドがあるべき場所が1枚板のパームレストのようにないる。キーボードも本体の両サイドいっぱいに隙間なく敷き詰められ、最上段のファンクションキー列などはすべてタッチパネル化されている。実際にはタッチ操作ができるガラス製トラックパッドがパームレストと一体化するかたちで内蔵されている。

トラックパッドが無いように見えるが、ガラスのタッチパネルが内蔵されている。キーボードも左右幅いっぱい、かつキートップの隙間も詰められている。全体的なソリッド感はかなりのもの


CPUは28W枠の第12世代Intel Coreで、Core i7-1280P、Core i7-1270P、Core i7-1260P、Core i5-1240Pから選択でき、これらは前世代のXPSの15Wから消費電力枠が増加しているが、大型の冷却ファンを搭載する新しいクーリングシステムにより本機でも薄型ボディを実現した。13.4型で比率16:10のディスプレイは4辺のエッジが極細のInfinityEdge仕様で、購入時カスタマイズにより最大で4K解像度のOLEDを選択することもできる。

画面の4辺はInfinityEdge仕様。本体サイズがコンパクトになるだけでなく、視覚的に映像への没入感を高める効果も


本体サイズはW295.3×D199.04×H15.28mm、重量は1.24kgから。発売は2022年春とされており、価格は後日発表。OSを標準のWindows 11からUbuntuへと変更したDeveloperEditionもラインナップする。

○史上最薄&第12世代Coreな「Alienware x14」などゲーミングPC

Alienware史上最薄という厚さ14.5mmのボディを実現した14型ゲーミングノートPCが「Alienware x14」。CPUに第12世代Intel CoreのHシリーズ、GPUにNVIDIA GeForce RTX 3060を搭載し、追ってIntel Arc Graphicsの搭載モデルも計画している。NVIDIAのAdvanced OptimusおよびG-SYNC技術に両対応する初めてのゲーミングノートでもあるという。近日発売で、価格は1,799ドルから。







薄型ボディに高性能CPU&GPUを内蔵した「Alienware x14」


既存モデルの15.6型ゲーミングノートPC「Alienware x15」と、17.3型ゲーミングノートPC「Alienware x17」に、内部コンポーネントをアップグレードした後継モデル「Alienware x15 R2」と「Alienware x17 R2」も発表した。それぞれ、CPUを第12世代Intel Core Hシリーズ、メモリをDDR5へと強化。ともに近日発売で、価格はx15 R2が2,199ドルx17 R2が2,299ドルから。

CPUがAlder Lake化した「Alienware x15 R2」。既存モデルのx15と外観は変わらない


「Alienware x17 R2」も外観は既存のx17と同等


さらに、AMD Ryzen 6000シリーズ、AMD Radeon RXグラフィックス、AMD FreeSync Premium、AMD SmartShift MAX、AMD Smart Access Memory、そしてAMD SmartAccessグラフィックスを搭載した初のノートPCとして、17.3型ゲーミングノートPC「Alienware m17 R5」も発表した。Alienware m17の後継モデルとして2022年春に発売し、価格は1,599ドルから。



AMDの最新世代プラットフォームをベースにした「Alienware m17 R5」


またCES 2022で米Dellは、"ゲーミングPCの新たなコンセプト"として、「Concept Nyx」と呼ばれるプロトタイプも披露した。これはクラウドゲーミング用のゲーミングサーバを、自宅サーバとして宅内に設置してしまうようなコンセプト。大型で処理能力の高そうなサーバマシンのハードウェアが公開されており、これに、自宅内のモバイル端末からLANアクセスすることで、遅延なくゲームのストリーミングプレイが楽しめるというものだ。

「Concept Nyx」のゲーミングサーバ。ゲーミングPCを宅内サーバにした感じ


処理はサーバで実行し、その結果の映像をストリーミング配信するだけなので、プレイする端末には性能が求められない。自宅内ネットワークなので遅延もクラウドより減らせる。ゲーマー家族にはいいコンセプトなのかも