この記事をまとめると

■近年「ながらスマホ」が問題視されている

■「ながらスマホ」をする自転車や歩行者は予期せぬ行動を起こすことがある

■ドライバーが注意したいポイントについて解説する

自転車や歩行者の「ながらスマホ」による事故も多発している

 数年前からニュースなどでもよく聞くようになった、「ながらスマホ」という言葉。クルマを運転中にスマホや携帯電話を使用したことで起こる事故が多発したことから、令和元年12月1日から罰則が強化されました。でも「ながらスマホ」が危険なのは、なにもドライバーに限ったことではないのです。自転車を運転中の「ながらスマホ」や、歩行中の「歩きスマホ」も時として重大な事故を引き起こすことがあります。東京消防庁管轄内だけでも、そうした自転車や歩行者の「ながらスマホ」による事故で、令和元年には40人以上が救急搬送されたとのこと。

 ドライバーとしては、交通社会では弱い立場となる自転車や歩行者に最大限の注意を払って運転をするのは当然のことですが、それは相手も交通ルールを守り、クルマに対して注意しながら行動してくれるという前提のもとで成り立つものです。「ながらスマホ」「歩きスマホ」の自転車や歩行者は、ドライバーが予測もつかない行動を起こすことが多く、注意していてもヒヤリとする場面があります。今回はそんな、ドライバーとして「ながらスマホ」「歩きスマホ」の自転車や歩行者のどんなポイントに注意すればよいのかを検証していきましょう。

 まず1つめは、死亡事故の半数以上が起こっているという交差点において。横断歩道を渡る歩行者を優先するのはドライバーの義務ですが、「歩きスマホ」の歩行者は視線と意識が手元に集中しているため、前からくる別の歩行者とぶつかったり、歩く速度が極端に遅かったり、時には突然立ち止まったり引き返したりと、不審な挙動が多くなります。交差点を早く曲がりたいからと、歩行者が通り過ぎるのを見越して発進するドライバーは要注意。その途端に急に歩きスマホの歩行者が立ち止まり、ぶつかってしまう可能性もあります。

 ノロノロと渡る歩行者に苛立つのはわかりますが、しっかりと渡り切ったことを確認してから、曲がるようにしましょう。また、「ながらスマホ」の自転車はもっと危険で、安全を確認した車両が横断歩道に進入しているにもかかわらず、死角から突然ビュッと出てきてクルマの前を通過していくケースも。大音量で音楽を聴いている場合などは、クルマの音にも気がついてくれないことが多いので、さらに注意が必要です。

 ちなみに自転車の「ながらスマホ」も東京都道路交通規則により禁止されています。

地図アプリを使用している歩行者にも注意!

 2つめは、地図アプリ、ナビアプリを使用しながら歩いている歩行者。こちらは交差点でもどこでも関係なく、曲がり角の目印を見つけたら急に左右の確認もせず道路を横断してしまったり、ビルの上の看板を探してキョロキョロしながら歩き、上ばかり見ていてまったくクルマやバイクの往来を認識していなかったり。足元や前方の障害物にも気が付きにくいので、歩道を歩いていたのに突然、何かにつまずいて転び、車道に飛び出してくることもあるのです。こうした歩きスマホの歩行者を見かけたら、必ず長めの距離を空けて横を通過するなど、細心の注意を心がけたいですね。

 3つめは、東京消防庁によるデータで、歩きスマホによる事故で救急搬送された人に多いのが、「ぶつかる」41.7%、「転ぶ」30.3%に次いで「落ちる」26.1%。このデータには、電車のホームで歩きスマホをしていて線路に落ちる、といった事故も含まれていますが、道路にも工事現場の穴に落ちる、段差のある少し高い歩道から落ちる、歩道にある階段から落ちる、といった危険性はあります。そうした現場の近くを通過する際には、万が一、歩きスマホの歩行者が落ちて車道に影響が出ないとも限りませんので、より注意したいところです。

 4つめは、観光地でよくある光景なのですが、最近はSNSにアップするために常にスマホを構えて歩き、何かあればすぐに写真が撮れるようにしている歩行者もよく見かけます。こうした人たちも、意識が「写真を撮ること」に集中しているため、あっと思ったところで急に立ち止まる、飛び出してくる、画面を見ながら後ずさりして車道にはみ出してくる、といった挙動が目立ちます。中には、自撮り棒で動画を撮影しながら歩いており、周囲をまったく見ていない、音を聞いていない歩行者も。こうした歩行者にもまず近寄らないのが最善です。

 ということで、歩きスマホはアメリカでは禁止されている州もあるほど、危険な行為です。近年では日本でも、歩きスマホの歩行者との事故では歩行者側の過失を問う判決も出てきていますが、もし事故を起こしてしまった場合はやはりまだまだ圧倒的にクルマの方が不利。「君子危うきに近寄らず」と言いますが、まさに、こうした歩きスマホの歩行者にはドライバーの方から遠ざかり、自分の身を守りましょう。