家事が効率よくできない「指示待ち夫」にイライラ。現状打破の方法は?
漫画家・エッセイストの瀧波ユカリさんが、ESSE読者の悩みに答えます。
今回は「共働きで、家事を効率よくこなせない夫へのイライラが収まらない」というお悩みについてです。
効率よく家事ができない夫にイライラ…
【お悩み】
今年の4月に育休から復職し、共働き生活が始まりました。家事や娘の保育園送迎を夫と分担していますが、効率を考えて家事ができない夫を、怒鳴りつけてしまいます。提出すべき書類を放置して、直前にバタバタあわてるのは日常茶飯事。
育児や家事も行き当たりばったりで、次を考えて動いてくれないのでイライラ。なんで順番を考えない? と思ってしまい、笑って流すことができません。どのように自分の気持ちをコントロールすべきでしょうか?(Kさん・東京都・31歳、夫32歳、長女1歳)
【瀧波ユカリさんの回答】
一般的に、怒鳴るのはよくないこととされています。でも、夫に怒鳴ってしまう自分のことを責めないでください。あなたには、怒鳴ってしまうだけの理由があるのだから。
いわゆる「指示待ち夫」と暮らしていれば、怒鳴りたくもなるというものです。あなたは「自分ばかりががんばっている」と毎日思わされて、肉体的にも精神的にもものすごいストレスを受けている状態です。そのことを彼にしっかりとわからせる必要があります。
まずは事前に「大事な話がある」と予告して、向かい合って話す時間をつくってください。そして「自分ばかりががんばっている状況がつらい。怒鳴りたくもないのに怒鳴ってしまう毎日が苦しい」と心情を説明しましょう。すると「そんなにがんばらなくてもいいよ」といった当事者意識のないコメントや「自分だって今の状況はつらい」といったはり合うだけの答えが返ってくるかもしれません。そうなったら「じゃあ役割を交代しよう。今の私がやっていることはあなたがやって。私はあなたに指示されたことだけやるよ」ともちかけてみてください。そうしようと言うなら実際にやらせてみましょう。
家の中がとんでもないことになるかもしれませんが、あなたの苦労の1%くらいはわからせることができるでしょう。役割の交代を了承しなかったり自分が変わることを約束しないようなら、「このままの状況が続けばどうなると思う?」と質問して彼に想像させてください。そしてこう言うのです。
「このままだったら、あなたのことを嫌いになるか人生を嫌いになるかのどちらかだよ。つまり離婚するか、心身ともに疲れて病気になるか、死にたくなることだってあるかも…。それは10年後かもしれないし、1年後かも、明日かもしれない」と。
それはさすがに大げさだとあなたは思うかもしれません。でも、限界が来れば実際にそういうことは起こり得ます。あなたから怒鳴られてもなにが問題なのかピンとこない能天気な指示待ち夫が、自主的に現実を直視することなどありません。ならばこちらから最低最悪の未来予想を突きつけ、冷水を浴びせかけましょう。
対話は万能ではありません。思いきって話しても最初は聞き流されたり、まともに相手をしてもらえないかもしれません。それでも、心の中にため込むよりはましです。変化を迫りましょう。一度だけではなく、怒りがたまって爆発しそうになったら何度でも話し合いの時間をもって、冷水を噴射してください。応援しています!
1980年、北海道生まれ。漫画家、エッセイスト。アニメ化もされた『臨死!! 江古田ちゃん』(講談社刊)でデビュー。著書に『30と40のあいだ
』(幻冬舎刊)『ありがとうって言えたなら
』(文藝春秋刊)など
今回は「共働きで、家事を効率よくこなせない夫へのイライラが収まらない」というお悩みについてです。
効率よく家事ができない夫にイライラ…
効率よく家事をしてくれない夫を毎日怒鳴りつけてしまう
【お悩み】
今年の4月に育休から復職し、共働き生活が始まりました。家事や娘の保育園送迎を夫と分担していますが、効率を考えて家事ができない夫を、怒鳴りつけてしまいます。提出すべき書類を放置して、直前にバタバタあわてるのは日常茶飯事。
【瀧波ユカリさんの回答】
一般的に、怒鳴るのはよくないこととされています。でも、夫に怒鳴ってしまう自分のことを責めないでください。あなたには、怒鳴ってしまうだけの理由があるのだから。
●「大事な話がある」と予告して話す時間をつくろう
いわゆる「指示待ち夫」と暮らしていれば、怒鳴りたくもなるというものです。あなたは「自分ばかりががんばっている」と毎日思わされて、肉体的にも精神的にもものすごいストレスを受けている状態です。そのことを彼にしっかりとわからせる必要があります。
まずは事前に「大事な話がある」と予告して、向かい合って話す時間をつくってください。そして「自分ばかりががんばっている状況がつらい。怒鳴りたくもないのに怒鳴ってしまう毎日が苦しい」と心情を説明しましょう。すると「そんなにがんばらなくてもいいよ」といった当事者意識のないコメントや「自分だって今の状況はつらい」といったはり合うだけの答えが返ってくるかもしれません。そうなったら「じゃあ役割を交代しよう。今の私がやっていることはあなたがやって。私はあなたに指示されたことだけやるよ」ともちかけてみてください。そうしようと言うなら実際にやらせてみましょう。
●最低最悪の未来予想を突きつけるのも一手
家の中がとんでもないことになるかもしれませんが、あなたの苦労の1%くらいはわからせることができるでしょう。役割の交代を了承しなかったり自分が変わることを約束しないようなら、「このままの状況が続けばどうなると思う?」と質問して彼に想像させてください。そしてこう言うのです。
「このままだったら、あなたのことを嫌いになるか人生を嫌いになるかのどちらかだよ。つまり離婚するか、心身ともに疲れて病気になるか、死にたくなることだってあるかも…。それは10年後かもしれないし、1年後かも、明日かもしれない」と。
それはさすがに大げさだとあなたは思うかもしれません。でも、限界が来れば実際にそういうことは起こり得ます。あなたから怒鳴られてもなにが問題なのかピンとこない能天気な指示待ち夫が、自主的に現実を直視することなどありません。ならばこちらから最低最悪の未来予想を突きつけ、冷水を浴びせかけましょう。
対話は万能ではありません。思いきって話しても最初は聞き流されたり、まともに相手をしてもらえないかもしれません。それでも、心の中にため込むよりはましです。変化を迫りましょう。一度だけではなく、怒りがたまって爆発しそうになったら何度でも話し合いの時間をもって、冷水を噴射してください。応援しています!
【瀧本ユカリさん】
1980年、北海道生まれ。漫画家、エッセイスト。アニメ化もされた『臨死!! 江古田ちゃん』(講談社刊)でデビュー。著書に『30と40のあいだ
』(幻冬舎刊)『ありがとうって言えたなら
』(文藝春秋刊)など