去年11月の栃木県知事選挙の告示前に立候補予定者に投票を呼びかける違法な文書を送付したとして、公職選挙法違反の罪に問われた前の宇都宮市議会議員の初公判が28日、宇都宮簡易裁判所で開かれました。

公職選挙法違反の罪に問われているのは前の宇都宮市議会議員の櫻井啓一被告(59)です。

起訴状などによりますと櫻井被告は去年11月、県知事選挙の告示前に福田富一知事を当選させようと別の市議会議員などと3人で知事の母校OB会の11人に対して違法な選挙運動用文書を送付したとしています。

櫻井被告は簡易裁判所から罰金30万円、公民権停止4年の略式命令を受けていましたが、公民権停止期間が長いなどとして正式な裁判を請求していました。

28日の裁判で櫻井被告は「基本的には間違いない。主たる目的は後援会の入会依頼だった」と起訴内容を認めました。

検察側は被告人質問で「主体的に関わり、配布する文書内容のやり取りをしたSNSのデータを消去して証拠隠滅を図っている」と指摘しました。

これに対し櫻井被告は「法律の知識が不足していて軽率だった。事件が怖くなってやりとりのデータを消してしまった」と答えました。

次の裁判は8月31日に行われ、審理を終える予定です。