毛が固まった状態で動物保護団体にやってきた犬(画像は『Cape of Good Hope SPCA 2021年6月14日付Facebook「THE DAY OUR HOSPITAL FELL SILENT」』のスクリーンショット)

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南アフリカの動物保護団体「Cape of Good Hope SPCA」では、様々な動物を保護している。特に多いのは犬で、怪我をして動けなかったり飼い主らの虐待や飼育放棄など様々なケースがあるが、このほど一度も手入れをされなかった毛むくじゃらの犬が保護された。『News24』などが伝えている。

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南アフリカのケープタウンにあるAtholonという場所に犬が捨てられているという連絡を受けて、6月10日に動物保護団体「Cape of Good Hope SPCA」(以下、SPCA)のノーマン・ベンヤさん(Norman Benya)が現場に向かった。そこで目にしたオスのプードルを見て、ノーマンさんは驚いたという。ダークグレーの毛が伸び放題で、汚れで毛が固まり、ドレッドヘアのようにくっついていた。もつれた毛は歩くのが難しいほど固まっており、プードルの足はかろうじて見えているぐらい。後ろ姿もひどく、便が尻尾にまでついていた。生まれてから一度も毛の手入れをされたことがないように見えるこのプードルをノーマンさんがSPCAに連れて帰ったところ、ざわついていた部屋は驚きのため一瞬で静かになったそうだ。

スタッフらは、すぐに電動バリカンで固まった毛を取り除く作業に取りかかった。黒い鼻とピンクの舌以外グレーの塊で覆われていたプードルは、少しずつ本来の白さを取り戻していった。10分後に背中の巨大な塊が取り除かれ、その後は足、耳、顔の周りの毛を慎重に剃る必要があったため、一度プードルを眠らせてから丁寧に汚れた毛を剃り落としていった。数時間後、取り除いた毛の塊は1.6キロになり、その下からは白いボディが現れた。

プードルには「ドレッドヘアでやってきたこの子には、カリビアンの名前を付けないとね」というSPCAのスタッフから「Boonoonoonoos」という名前が付けられた。ジャマイカ・クレオール語で「恋人」の意味を持つ「Boonoonoonoos」だが、のちに略されて“ブー(Boo)”となったプードルは必要な検査を受けた後にワクチンなどを投与された。

SPCAによると、絡みついた毛は犬の皮膚を傷め、ノミやダニが毛の塊の中で育つ可能性があるとのこと。また肛門周辺の毛が絡みつくと糞便が出なくなり、大変危険という。さらに塊になった毛は体の動きを制限し、血液の循環を遮断して四肢切断に至ることもあるそうだ。

なお軽くなった体に慣れたブーは、近いうちに里親を探す手続きに入るという。

画像は『Cape of Good Hope SPCA 2021年6月14日付Facebook「THE DAY OUR HOSPITAL FELL SILENT」』『News24 2021年6月15日付「PICS | Meet Boonoonoonoos the Maltese poodle with a dreaded bush of fur」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)