“アンチ・オオサコ”の強烈なバッシングを受けながらも――大迫勇也は、どん底から這い上がろうとしている【現地発】
メディアの前で責任をもって発言をし、クラブへの愛を隠すことなく前面に出し、ファンに対してオープンで、ピッチ上では闘争心むき出しにチームの勝利のために全力を出し切る。そして、その選手ならではのスキルでチームを助けてくれる。苦しい時でも下を向かずに胸を張り、ファンから批判を浴びても正面からそれを受け止め、次に向けて取り組むことを約束する。そんな選手がチームにいたら確かに心強いし、理想的だろう。
とはいえ、みんながみんないつもそんな立ち振る舞いができるわけではない。自分のコンディションや生活環境に影響されることだってあるだろうし、性格的な得手不得手だってある。「プロサッカー選手なんだからピッチ上の結果がすべてだ!」といわれたら、それはそうなのだろうが、結果を出すために奮闘しようとしても、すべてのプレーがすぐに結果に繋がるわけではない。
だから、コーフェルト監督が大迫とじっくり話をし、頭を整理するために休息の時間を与えたというのは、とても大切なことだったのではないだろうか。
やらなければならないことで頭の中がいっぱいになってしまったら、ピッチ上で躍動することはできない。プレーする喜びがなければ、自分の力を引き出し切ることはできない。心が共鳴し、頭がクリアに働き、体が自然と動き出したとき、選手は輝き出すのだ。
第19節シャルケとの一戦で、大迫のプレーは明らかに以前と違っていた。
相手に1点リードを許していたブレーメンは後半開始から3人の選手を入れ替え、さらに61分に大迫を投入。背番号8は流れを引き寄せるプレーを立て続けに見せた。
74分、左サイドのミロト・ラシツァからのクロスをゴール前できれいにヘディングシュート。惜しくもGKのファインセーブに防がれたもの、シャルケのCB間にうまく入り込んだポジショニング、シュートのインパクトもよかった。
77分には、中盤右サイドでパスを受けた大迫は素早く振り向くと、守備ライン裏へ走り出したラシツァへきれいなスルーパスを通す。そこからの折り返しをケビン・メーバルトが右足ダイレクトで決め、同点に追いつく。得点の瞬間、大迫が力強くこぶしを握り締めてアシストしたラシツァに駆け寄り、仲間たちと喜ぶ姿が印象的だった。

