夫がセックス嫌いだと産後に知った妻の苦悩「5年で1回。ナマ殺しです」

 セックスレス夫婦の多くは、「いつの間にかなくなっていた」と言う。

 特別な理由があるわけではないのだ。「忙しくてめんどう」「疲れていてその気にならない」などが大半を占め、「配偶者とは仲が悪いわけではない」とも言う。

 もちろん、お互いに納得していればレスは問題にはならない。だが、体の距離が心の距離に比例していくこともある。

 夫がセックス嫌いだと出産後に知った妻に話を聞いた。

◆夫と最初の1回で妊娠。その後5年以上セックスレス

「私、結婚して5年なんですが、夫とは結婚前に一度しかセックスしてないんですよね」

 びっくりするようなことを言うのは、マユさん(38歳)だ。そのたった1回で彼女は妊娠、2歳年下の夫と結婚したのだという。

「夫は5歳のひとり娘にデレデレ、とってもいい父親だし、同居人としても完璧なんです」

 ふたりとも会社員だが、マユさんのほうが仕事量が多い。それを最初からわかっていたのか、夫は結婚当初から家事万端を引き受けてくれた。

「私がもともと家事が苦手ということもあるし、妊娠してからは仕事だけで精いっぱい。夫は料理も家事も手際がよくて、よくお風呂で髪を洗ってくれたりもするんです。

 すごく甘やかしてくれましたね。私はそれを愛情だと思っていたんだけど、おそらく男女の愛情ではなくて、自分の子どもの母親への情だったんでしょうね」

◆出世欲がなく家族にエネルギーを注ぐ夫

 無事に出産してからも、夫は1ヶ月の産休をとり、世話をやいてくれた。夫が勤める会社では男性の産休は珍しかったようだが、上司に理解があり実現したという。

「夫は出世欲がまったくない人なんです。仕事は生活を楽しむための糧を得るだけと割り切っています。よけいなエネルギーは仕事には注がないみたい(笑)」

 家族のために夫は時間と労力を割く。娘の保育園の送り迎えはほぼ夫が引き受けている。その後、夫は夕食の支度をして子どもに食べさせる。

「私は帰宅してから娘とお風呂に入って、夫が娘を寝かしつけている間に夕飯をとる。そんな感じですね。周りからは羨(うらや)ましがられていますよ、そこまでやってくれる夫はいないって。私もそうは思います」

 夫に比べるとマユさんには、出世欲もあるし仕事で自己実現をはかりたい欲求も強い。夫は「マユはそれでいいんだよ」と応援してくれている。家庭はうまくいっているのだ。

◆女として満たされたい

 家庭は順調だが、マユさんはときどきふと寂しくなる。夫とはこのまま、一生に一度のセックスで終わってしまうのかと思うからだ。

「もちろん、何度か私から水を向けたこともあります。だけど夫は『ごめん、僕さあ、実はそういうことがあんまり好きじゃないんだよね』って。娘が3歳くらいのときにそう言われました。結婚前に一度だけしたのも、いわば勢いというかなりゆきというか。そんな感じだったようです。

 でも私と結婚したことは後悔していない、マユのことは信頼しているし愛している、とっても幸せだよと満面の笑みで言われて、私もそれ以上迫れなかった」

 夫がいい人だからこそ、マユさんは浮気もできないと言う。

「夫は私が悶々としているのをわかっているんでしょうね。『マユちゃん、僕から離れないでね』とときどき言うんですよね。離れなければ浮気してもいいということなのか、浮気はするなということなのかわからないけど。

 だけど私は、身も心もというのが夫婦の基本だと思うんです。夫が私を家族としか見ていないのが寂しい。でもそれは夫には伝わらない。したくない人に無理強いするわけにもいかないし。悩ましいです」◆体の距離は心の距離?