コスタリカのサンルーカス島にある刑務所跡(2020年9月27日撮影)。(c)Ezequiel Becerra / AFP

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【AFP=時事】罪人の流刑地として暗い歴史を持つコスタリカのサンルーカス(San Lucas)島が、観光客のパラダイスに生まれ変わった。

「監獄島」として有名な米アルカトラズ(Alcatraz)島のコスタリカ版といった太平洋側のニコヤ湾(Gulf of Nicoya)に位置するこの島には、1873年から1991年まで、拷問や非人道的な行為で知られていたコスタリカ史上最も悪名高い刑務所があった。

 しかし、1995年に建築上の価値が認められ、2001年には野生生物保護区に指定された。複数の政府機関が240万ドル(約2億5300万円)ほどをかけて、ウオーキング用の小道を整備し、インフラを修復。放置されていた500ヘクタールのこの島は8月から、ハイキング、手つかずのビーチ、さまざまな野生動物との遭遇が楽しめる風光明媚(めいび)な観光地として再生された。

 刑務所としてのサンルーカス島の歴史は、トマス・グアルディア(Tomas Guardia)元大統領率いる軍事政権が、「好ましくない」とみなした政治家を送り込む拘置所として始まった。その後、国内の最も凶悪な犯罪者が収容される、厳重に警備された刑務所となった。

 囚人の一人だった小説家のホセ・レオン・サンチェス(Jose Leon Sanchez)氏は、この刑務所に10年以上にわたって収容され、後にその体験を1963年の小説「Island of Lonely Men(仮訳:孤独な男の島)」に記している。小説では、虐待、飢え、囚人間の性的虐待などが描かれており、1974年にはメキシコで映画化された。

 刑務所は円形の中庭にぐるりと七つの凶悪犯罪者用房が配置され、中央には柵に囲まれた穴がある。穴は脱獄を試みた囚人を罰として入れるためのもので、サンチェス氏によると、この穴で1日過ごすよりも死んだ方がましだと囚人らは話していたという。

 壁には、刑務所の歴史の一部が刻んである。囚人たちの描き込みがある。

 新型コロナウイルスの感染予防対策として島の見学は週末のみ、各40人までの3グループ限定で、海岸には立ち入ることはできない。

【翻訳編集】AFPBB News

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