ブンデスリーガ最終節でもVfLヴォルフスブルクを相手に、4−0と快勝をおさめて8連覇のシーズンを締め括った、バイエルン・ミュンヘン。試合後、トーマス・ミュラーは「後半戦は驚異的だったよね」と振り返り、「クレイジーなシーズンだったよ」と総括。「秋にはクラブとしても僕自身も苦境に立たされていた」ことからも、「なおさら特別な、強烈な、ぐっとくる優勝となった」と言葉を続けている。

 首位との勝ち点差7、リーグ戦7位に喘いだ昨年11月に、バイエルンはニコ・コヴァチ監督を解任し、アシスタントを務めていたハンジ・フリック氏を昇格。それからミュラーは再び重用されるようになり、ベテランMFもその期待に応える活躍を披露、今季マークした8得点は全てフリック監督就任後のものであり、さらにその期間で17アシストもマーク。最終的には21アシストへと到達しており、これは3シーズン前にフォルスベリが樹立したブンデス記録にあと1つに迫るものでもあった。

 また激動のシーズンとなったのは監督交代劇とそれ以降にV字転換を果たした優勝劇ばかりではない。新型コロナウィルスの蔓延によりリーグ戦は中断、再開後も無観客での戦いを余儀なくされた。「コロナ危機にあるのだから、普段通りとはいかないもの。それは頭でわかってはいても、慣れていくことへの嫌悪感もある。ただ僕たちは覚悟をもって臨んでいた。それでも許されるならば、少しずつで良いからファンに戻ってきて欲しいよ」

ブンデス得点王、ロベルト・レヴァンドフスキ


 アシスト王のミュラー、そして今シーズンも得点王に輝いたロベルト・レヴァンドフスキは、ブンデス最終節でも共にその有終の美を飾った。レヴァンドフスキがマークしたシーズン34得点は、ゲルト・ミュラー氏(40得点、38得点、36得点)に次ぐ、そしてディーター・ミュラー氏に並ぶ快挙であり、1970年代を代表する両選手と「比較するのは難しいよ」と、レヴァンドフスキ。「現代サッカーでは、また別の見方ができると思うよ、ただ僕自身はかなり良いパフォーマンスができたとは思っているさ」と胸を張った。「僕たちチームとしてのパフォーマンスが、見事なものだったよ」