関係3社には未払家賃の支払いと建物明け渡が申し立てられている

 新日本通産(株)(TDB企業コード:280176251、資本金2000万円、山梨県甲府市落合町568-5、代表三村修氏)は、3月16日に債権者より甲府地裁へ破産を申し立てられた。

 申請代理人は河合弘之弁護士(東京都千代田区内幸町1-1-7日比谷U-1ビル16階、さくら共同法律事務所、電話03-5511-4400)。

 当社は、1988年(昭和63年)9月に不動産業を目的に設立、その後木造建築工事業・老人福祉事業へ参入した。宅地・建売分譲や個人住宅の建築に加え、介護施設事業の強化を図るべくサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の建設・管理運営に注力し、2018年8月期には年売上高約29億3000万円を計上していた。

 しかし、サービス付き高齢者向け住宅における管理物件の増加により同運営に係わる人員増・賃金負担は膨らみ、運転資金や商品土地・建売分譲地の開発等を含む借入依存度は高まり、有利子負債の返済は重く収益性は低水準に推移し、2019年8月期の年売上高は約9億9000万円に対し、当期純利益は約10億4700万円の欠損となった。

 こうした状況下、一部のサービス付き高齢者向け住宅の稼働率が計画通りに推移せず、管理運営に係わる諸経費等の支出先行により資金繰りが悪化、建設工事の下請業者に対する支払遅延が発生し、訴訟問題にも発展するなど信用不安が表面化していた。その後も抜本的な収益改善には至らず、金融機関の借入金に依存した繰り回しが続き、今後の見通しも立たず資金繰りが限界に達し関係会社へ事業を譲渡し実質営業停止の状態にあった。

 こうした中、サービス付き高齢者向け住宅のオーナー7名が関係会社の(株)ケアステーション新日本、(株)ショート新日本、(株)JRCの3社には未払家賃の支払いと建物明け渡しを、当社には破産手続きの申し立てを行った。

 負債は2019年 8月期末時点で約20億6300万円(うち金融債務約9億1000万円)。