コロナウィルス拡大で人種差別を受けた韓国代表FWソン・フンミン【写真:Getty Images】

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スペインで武漢卓爾との親善試合が中止 海外紙が指摘「医学的な理由はない」

 中国・武漢で発生した新型コロナウイルスが世界へ広がるなか、欧州サッカー界では「人種差別」が懸念されている。

 香港英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は「ウイルスよりも東洋人嫌悪が早く広がっている」と報じた。

 新型コロナウイルスは中国国内だけでなく、いまやアジアをはじめ世界28の国と地域に広がっており、WHO(世界保健機関)も感染者増加に危機感を募らせている。そんななか、欧州での出来事が注目を集めており、香港英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は「コロナウイルスよりも東洋人嫌悪が早く広がっている。サッカーも例外ではない」と指摘した。

「これまでのところ最も注目すべきは、スペインでのプレシーズンキャンプで、欧州の二つのクラブが中国・武漢卓爾との親善試合中止を決めた。これに医学的な理由はない。選手たちは先週マラガに到着した時、スペイン当局によって許可された。彼らは1月2日以来、武漢にはいなかった」

 発生源とされる湖北省武漢市を本拠地とする武漢卓爾だが1月2日から離れていた。新型コロナウイルスの最大潜伏期間は約14日間と言われており、スペイン当局からも入国を許可されていた。しかし、不安だけが膨らみ続け、親善試合も一方的にキャンセルされる形となったようだ。

ゴールを決めた韓国代表FWソン・フンミン、新型コロナウイルス人種差別被害

 また、プレミアリーグで活躍する韓国代表ストライカーも被害に巻き込まれている。FWソン・フンミンが所属するトッテナムは2日のリーグ第25節でマンチェスター・シティと対戦し、ソン・フンミンの3戦連続ゴールなどで2-0と勝利した。SNS上では、ソン・フンミンがゴール後にチームメイトと喜ぶ際の写真が投稿されているが、周りの選手がマスクを着用しているように加工したものも見られる。

 記事では「ソン・フンミンが、SNS上で人種差別的な中傷やウイルス関連で罵りの標的にされた。残念なことに、スパーズファンと見られるアカウントからの投稿もあった」と言及。ソン・フンミンは活躍しながらも思わぬ形で巻き込まれており、「スパーズのスターは人種差別の被害者」と記している。

 新型コロナウイルスの影響はサッカー界にも及んでおり、海外メディアも懸念を強めているようだ。(Football ZONE web編集部)