チョ国氏(左)は柳在洙氏への監察打ち切りを指示した疑惑が持たれている(コラージュ、資料写真)=(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル東部地検は16日、柳在洙(ユ・ジェス)元釜山市経済副市長への監察打ち切り疑惑と関連し、当時青瓦台(大統領府)の民情首席秘書官を務めていたチョ国(チョ・グク)前法務部長官を呼んで事情聴取を行っている。

 チョ氏はこれとは別に、娘の大学不正入学疑惑などに関与したとしてソウル中央地検で3回にわたり聴取を受けている。

 ソウル東部地検は、今回の聴取でチョ氏に対し柳氏への監察打ち切りを決めた過程や経緯などを聞くとみられる。柳氏は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の盟友である故・盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領が在任当時、盧氏の随行秘書などを務めた人物。金融業界の関係者らから金品を受け取るなどの不正行為を行ったとして、収賄罪などで13日に起訴された。

 柳氏は金融委員会の金融政策局長に就任した直後の2017年8月、青瓦台民情首席室から不正疑惑に関する監察を受けたが、監察は同年12月に突如打ち切られた。当時民情首席秘書官だったチョ氏が、民情秘書官だった白元宇(ペク・ウォンウ)民主研究院副院長を通じて金融委員会に打ち切りを伝えた。

 民情首席室で監察を指揮した朴炯哲(パク・ヒョンチョル)反腐敗秘書官は先ごろ、検察の聴取に対して当時チョ氏が周囲からの圧力により監察打ち切りを指示したとの趣旨の供述をしたとされる。

 一方、チョ氏は柳氏の不正に関する情報を調査した結果、根拠が弱かったことから朴氏、白氏と共同で監察打ち切りを決定したとの立場だ。

 しかし、検察は青瓦台民情首席室が監察の過程で柳氏の不正の事実を相当部分把握していたとみて、チョ氏への聴取で柳氏の監察を行った際に把握した不正の内容や監察打ち切りが外部からの要請によるものだったのかなどについて調べるものと予想される。

 チョ氏は家族の不正疑惑を巡ってソウル中央地検が行った聴取では供述を拒否したが、今回も供述を拒否しているかどうかは分かっていない。