The Rundown(ランダウン)は、米DIGIDAY編集部員による「社説」シリーズ。歯に衣着せぬ表現で、メディアやマーケティングの最前線が抱える課題を浮き彫りにしている。今回はクリスティーナ・モンロー記者が「D2C」ムーブメントの最新トレンドについて語る。

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D2C(direct-to-consumer:直販)企業の多くが、ほかのチャネルも併用して広告支出の多角化を図っていると繰り返し主張しているにもかかわらず、顧客獲得をデジタル広告に依存しすぎていると言われてきた。

デジタル広告だけで、D2Cの新興企業は瞬く間に、そして持続的に台頭できるという考えは、衰えつつあるのかもしれない。最新の調査から、一部で思われているよりも、D2C企業各社はFacebookやGoogleなどのチャネルのはるか先に進んでいる可能性があることがわかっている。

分散化する広告支出

インタラクティブ広告協議会(Interactive Advertising Bureau:IAB)の調査によれば、D2C企業はもはや、ソーシャルを自社広告チャネルの頂点とはみなしていないようだ。同レポートでは、もっともポピュラーなデジタルチャネルは「検索」(67%)で、それに続くのが「ディスプレイ」(65%)、さらにそれに続くのが「ソーシャル」(64%)となっている。オフラインチャネルもこれらに肉薄している。トップは「ダイレクトメール」(63%)で、それに続くのが「プリント」(62%)と「テレビ」(58%)だ。

D2C企業各社が広告予算の一新に取り組んでいるという事実は、驚くに値しない。創業から業界の寵児へと見事に飛躍し、FacebookやGoogleの広告のみをベースに大勢の顧客を獲得できるという考え方は魅力的だ。だが、もはやそれは夢物語だ。少なくとも、いくらかでも持続的にそうすることを期待しているのであれば。

テイク・サム・リスク・インク(Take Some Risk Inc.)の創業者で、戦略責任者であるデュエイン・ブラウン氏は「『D2Cに必要なチャネルはX個だけ』といったような言葉は耳にとても心地いい。実際は真逆であるのに」と述べる。同エージェンシーのD2Cクライアントは、動画広告はもちろん、検索およびソーシャルプラットフォーム全域の検索広告やショッピング広告も重視するようになっているという。「ひとつのチャネルだけに目を向け、ひとつのカゴにすべての卵を盛っているD2Cブランドは、生き延びられないだろう」と、ブラウン氏は語る。

過去においても、1〜2個のチャネルだけで生き延びるのは常に難しかった。だがいまは、同じD2C戦略を試みる企業が増えているなかで、FacebookのCPC(クリック単価)もGoogleのそれも、それぞれ値上がりしている。また、オーディエンスや顧客基盤へのアクセスを求めて、ひとつのプラットフォームに依存するのも賢明ではない。そのプラットフォームがFacebookの場合は、とくにそうだ。D2Cストラテジストのマルコ・マランディス氏は「Facebookやインスタグラム(Instagram)、Googleへの出稿は、あまりにもコストがかかりすぎて、もはや持続的ではなくなりつつある」と話す。

最初からオフラインに

同時に、D2C企業がブランド認知度を高め、消費者の信頼を高めるには、デジタル広告(とくにソーシャル広告)の先に進む必要がある。マルコ・マランディス氏によれば、効果的なのはテレビ広告や実店舗の店頭、ダイレクトメールだという。これらのチャネルはいまや、成長が限界に達したあとに登場する「プランB」などではなく、最初からD2C企業のマーケティングプランの一角を占めるようになっていると、同氏は付け加える。

「シードラウンドに入っているD2Cブランドの計画には、ポップアップストアや小売店舗、パートナーシップ、TVプレースメント、ダイレクトメールなどがすべて組み込まれている。効果的なブランド認知は複数のタッチポイントで起こることを、彼らは理解しているからだ」と,マランディス氏は語る。「ブランド戦略は、現在のD2Cにおけるマーケティングプラン実行の主なモチベーターとなっている。どのマーケティング戦術も、戦略全体のなかに一貫した場所を持っていなければならない」。

Kristina Monllos (原文 / 訳:ガリレオ)