試合前から火花が散ったニュージーランドvsアイルランド【写真:荒川祐史】

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「アメージングなハカVSアイルランドファンの歌声」と大会公式も動画公開

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は19日、準々決勝でB組1位ニュージーランドがA組2位アイルランドに46-14で快勝。試合前は恒例のウォークライ「ハカ」を披露した。特別仕様の「カパ・オ・パンゴ」をド迫力で演じたが、アイルランドファンが歌声で対抗。選手の声をかき消すほど、騒然とした空気に包まれた。大会は一部始終を動画付きで公開したが、海外ファンは「これほど敬意を欠く行為は初めて」「ハカに歌で返すの凄くいい」と賛否の声が上がっている。

 世界最強軍団にアイルランドファンが挑みかかった。試合前恒例のオールブラックスのハカ。黒のジャージが隊列を組み、緑のジャージが一列になって迎え撃つ姿勢を整えると、客席の奇声が上がり始めた。そして、リード役のペレナラが掛け声をかけると、合わせるように、どこからともなく歌声も上がる。アイルランドファンのものだった。

 それも次第に大きくなっていく。いよいよオールブラックスが全員で呼吸を合わせ、胸を叩き、ももを叩き、威勢のいい声を上げる。しかし、客席の歌声は大きくなる一方。それは選手たちの声をかき消すほど、会場全体は騒然とした空気に。そんな中、1分35秒に渡って演じ切ると、どよめきに包まれ、興奮のボルテージが一層、高まっていた。

 世界有数の熱狂的ファンとして知られるアイルランドファン。決戦を前にオールブラックスの儀式に対抗した格好だ。大会公式インスタグラムは「アメージングなハカVSアイルランドファンの歌声 フィールド・オブ・アセンライが響き渡るスタジアムで、オールブラックスがハカでアイルランドに挑む。これが全てだ」とつづり、実際のシーンを動画付きで公開した。

海外ファンは賛否「敬意欠く」「凄くいい」

 すると、目の当たりにした海外ファンからは「凄まじい雰囲気だった!!!」と興奮の声が上がる一方で、コメント欄に賛否の声も多く寄せられている。

 アイルランドファンに対しては「アイルランドのファンはリスペクトなくハカに挑んだ…すでに負けてたんだよ」「彼らは家に帰るまでずっと歌ってる」「他者に敬意を欠くというのは…低俗なファンがいてアイルランドは恥ずかしい」「これほど敬意を欠く行為は初めて」と熱すぎる姿勢に対し、厳しい声が上がっている。

 一方で「ハカに歌で返すの凄くいい。両チームの挑戦状は受け入れられたよ」「アイルランドが無礼だとは思わない。けれど、ハカの迫力と威厳はとてつもなかった」と好意的に受け取るファンもいた。選手だけでなく、ファンもこの試合にかける意気込みが表れたシーン。強豪国同士の熱さが伝わるようなひとコマだった。(THE ANSWER編集部)