生き残りかけて地銀が全国戦略、ふくおかFGの「みんなの銀行」は試金石に
ふくおかFGは7日、ネット専業の「みんなの銀行」の開業計画を発表した。「銀行自身が『銀行』を再デザイン、再定義する」(同社)と打ち立て、新たな銀行像を描く。
2日には地域総合商社事業に乗り出すことも明らかにした。地場中小メーカーの製品を、開発やブランディングから一貫して支援。電子商取引(EC)サイト「エンニチ」を通じ販路を提供する。
誘客基盤の一つは、16年に立ち上げたスマートフォンの収支管理アプリ「Wallet+(ウォレットプラス)」。ダウンロード数が累計80万となるなど実績を積み上げており、広島銀行、沖縄銀行にもサービスを提供している。20年度に事業単体で黒字化できる見通しだ。
ふくおかFGの柴戸隆成会長兼社長は「いろいろな部分でビジネスにプラスになっている。着実に環境にマッチして動いている」と評価する。
ウォレットプラスの企業向けマーケティング機能では、貯蓄できるアプリという特性から、現在は家や車など高額商品が中心。ECサイトの追加で少額商品にも誘導できるよう対象を広げる。地盤の九州から始めるが、広島と沖縄のほか、導入準備を進めている他の地銀を通じた域外への拡大も見据える。
福岡銀行を中核とするふくおかFGは、九州内で域外展開を積極化し地銀再編の流れをつくった。熊本、長崎で3行を傘下に収め、総資産24兆円超の巨大地銀グループになった。次はネット銀行で全国に版図を広げる。
マイナス金利の長期化や異業種参入など、銀行の経営環境は厳しい。地銀にとって地域の垣根は守りにも障害にもなった。成長のため、その壁を地銀自身で崩さざるをえない状況だ。
