「高糖度でハイカロリー」は本当? 大人気タピオカミルクティーの上手な楽しみ方
連載「働く人の食事術」―今年の大ヒットドリンク、タピオカミルクティー
忙しく働く大人世代が日常のパフォーマンスを上げる方法を“食”から考える「THE ANSWER」の連載「働く人の食事術」。Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が日々のパフォーマンスを上げる食事術を指南する。
最近、大人気のタピオカミルクティー。若い世代はもちろん、女性を中心にビジネスパーソンにも広まりを見せている。一方で気をつけておきたいのはカロリー。どう飲めば体に優しく上手に楽しめるのか。橋本氏が栄養士の観点からアドバイスする。
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今年の大ヒットドリンクといえば、タピオカミルクティー。コンビニエンスストアでは以前から見かける定番の商品の一つでしたが、今では専門店も続々と開店しています。
最近、このタピオカミルクティーが「高糖度でハイカロリーである」とSNSを中心に話題となりました。発端はタイで行われた調査の結果、タイ国内で販売されるタピオカミルクティーには、多いもので1杯74g(287kcal、スティックシュガー(3g)約24本分)もの砂糖が含まれている、とニュースになったことのようです。
もちもちとした食感で人気のタピオカの原材料は、キャッサバという種類のイモのでんぷん。タピオカそのもののカロリーは100gで約62kcal(茹でた状態で計算)と決して高くはありませんが、タピオカミルクティーにする際、砂糖につけることでカロリーが高くなるようです。さらに、ミルクティーそのものにも、様々なフレーバーのシロップがたっぷり。冷たいドリンクは甘味を感じにくくなることも影響し、おいしくするために、どうしても砂糖の量が増える傾向があります。
日本の商品に目を向けると、例えばコンビニエンスストアやチェーン店のカフェなどの商品は、1杯130〜180kacl程度とタイに比べるとカロリー控えめ。甘い物や酒といった嗜好品の1日の適量は、総摂取エネルギー量の10%が目安なので、おやつにはちょうどよいといえます。
専門店は1杯300〜400kcalになる場合も? 上手に楽しむにはどうすべきか
一方、タピオカドリンク専門店のほうは、コンビニの商品よりも甘味が強く、1杯の量が多くなるため、1杯300〜400kcalになる場合もあると思います。その場合は、シロップの量やトッピングを欲張らない、小さなサイズにするなど、オーダーの仕方でカロリーを控えつつ、楽しむといいでしょう。
さて、過去にもテレビ番組などで、炭酸の清涼飲料水やペットボトルのミルクティーに含まれる糖質を砂糖に換算し、大量摂取を注意喚起するシーンを何度か見聞きすることがありました。ただ、これらは確かに砂糖換算でもよいのですが、時々、ご飯も砂糖に換算するメディアを見かけます。確かにご飯も糖質が主成分ですが、砂糖に換算すると「ご飯も砂糖も同じ」という誤解を招きます。実際、近年の炭水化物抜きダイエットのブームもあり、「米は体に悪いんですか?」と聞いてくるアスリートもいるので、彼らにも必ず、砂糖とご飯の違いを説明しています。
糖質は、ご飯やパンなどの主成分である炭水化物(糖質+食物繊維)と、炭水化物から食物繊維を除いたでんぷんなどの糖質、糖質の一部である砂糖やブドウ糖などの糖類に分類されます。ご飯やパンなどの炭水化物には食物繊維が含まれるため体内での吸収が穏やかなのに対して、砂糖やブドウ糖は消化・吸収されやすく、血糖値を急激に上げやすいのが特徴です。また、お米はタンパク質や食物繊維、ビタミン・ミネラルといった体に必要な微量栄養素も含まれています。ですから、糖類以外の栄養価ほぼゼロの砂糖とは、イコールではありません。
砂糖たっぷりの飲み物やお菓子はご褒美食ですが、炭水化物は日々、体や脳を動かすためのエネルギー源。同じ糖質でも、働きはまったく異なります。体力の低下や疲労がたまったときはまず、甘い物よりも米を積極的に摂ってくださいね。
さて、タピオカミルクティーに話を戻すと、砂糖以外に使われているのは、タンパク質やカルシウム、ビタミンB群等を含む牛乳と、でんぷん質のタピオカです。つまり、疲れた体のエネルギー源になる栄養を含んでいるので、ただ甘いだけの清涼飲料を飲むよりもおすすめ。ただし、「飲み物だから」とコーヒーや紅茶の感覚で量をたくさん飲んだり、毎日飲む習慣がついたりするとすぐにカロリーオーバーになります。タピオカミルクティーを飲んだ日は他の甘い物は摂らない、他の飲み物はノンシュガーにするなど、うまく調整しながら楽しんでくださいね。(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)
長島 恭子
編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビューや健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌などで編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(共に中野ジェームズ修一著、サンマーク出版)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、サンマーク出版)、『カチコチ体が10秒でみるみるやわらかくなるストレッチ』(永井峻著、高橋書店)など。
