フィジーの国旗

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(台北 14日 中央社)中華民国(台湾)の在フィジー公館の正式名称から「中華民国」が消える見通しであることが分かった。外交部(外務省)は13日、中国がフィジー政府に圧力をかけたとし、これに対して抗議の意を表明した。フィジー政府にも正式に抗議したと説明しており、今後もフィジー側と意思疎通を続ける方針を示した。

在外公館は現在、「中華民国駐フィジー商務代表団」という名称だが、「駐フィジー台北商務弁事処」に変わる見通し。同部によれば、看板や公式サイト、関連書類などの表記の変更が近々行われる。

同部によると、中華民国は1971年、フィジーに出先機関を設置。農業や漁業、医療、人材育成などで交流を図ってきた。同部はフィジー政府に、双方が50年近くにわたって築いてきた協力関係を重視するよう呼び掛けているという。

中華民国の在外公館は、2016年5月に独立志向とされる蔡英文政権が発足して以降、中国の圧力の下で改称が相次いでいる。これまでバーレーンやエクアドル、ヨルダンなどに置く在外公館の名称から「中華民国」や「台湾」の表記が消えた。台湾はいずれの国とも外交関係を有していない。

(侯姿瑩/編集:楊千慧)