熊田曜子

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 女性芸能人の売名行為。最もわかりやすいのは有名人との熱愛報道だが、引退や離婚などのイベントを持ち出すやり方も多い。そして今、まさにそのやり方で再浮上を図ろうとしているなと感じるのが熊田曜子である。

 グラビアアイドルとして一世を風靡し、「ロンドンハーツ」を始め大活躍だった彼女。大きな胸をさらに強調するような衣装や、芸人たちにイジられても笑顔でいなす様子は、自分の売りどころをよくわかっている頭の良さを感じた。しかし当時の大物司会者とのスキャンダルや、ナインティナインの岡村隆史との熱愛報道など、男関係で面倒ごとを引き寄せるタイプだったのも事実である。大物ばかりとの恋愛沙汰だけでなく、ペニーオークション詐欺事件への関与など、金の匂いに敏感に立ち回るイメージもあった。そんな逆風が強まり始めた頃に一般人男性とできちゃった結婚し、今や3人の子どもの母に。引き際の見事なタイミングと、ママタレ業を射程に入れた再スタート戦略かと、彼女の“策士”ぶりに感嘆したものだ。

熊田曜子

【画像】熊田曜子の美しいボディライン

 その熊田がここ最近、毎日のようにニュースになる。話題はもっぱら夫への愚痴。食事を作ったが食べてくれない、と、インスタグラムを介して不満を漏らしている。

 食べてもらえなかった食事写真を見ると、手の込んだ和食という印象だ。昆布巻きやあさりの酒蒸しなど、品数も多く彩りも実に美しい。こんな素晴らしい食事に手を付けないなんて、という夫への非難と、こんなに頑張っているのにないがしろにされるなんて、という熊田への同情という2つの感情が浮かぶ。実際に憤るファンの声も多いようだ。

 また夫だけでなく、義母への愚痴もあったという。食事の誘いを断ったところ、自分だけでなく母親にも怒りの電話があったと明かしていた。こうした夫の話も姑の話も、24時間で自動削除されるストーリーという機能を使って投稿された。おおっぴらには言えないけれど、どうしても我慢できずに思わず漏れてしまった本音、そんな空気感を作るのにはぴったりである。そして24時間限定で知ることのできた有名人の「本音」は、真実味を感じるからこそ広まるのも早い。そこに熊田らしい計算を感じてしまうのである。

 磯野貴理子が離婚した時の風潮を思い出してみてほしい。夫の「子どもが欲しい」発言に傷つきながらも健気に身を引き離婚、という顛末に、夫への大バッシングが行われた。夫側に全ての非があるにせよ、一般人であり貴理子の発言力・影響力とは天地の開きがある。そもそも反論の場さえ持つことさえ難しい立場だが、さらに追い込まれていた。100対ゼロで貴理子の勝ち。あの状況を熊田も再現したいのではないだろうかと勘繰ってしまうのである。

 貴理子の夫と同じく、熊田の夫も一般人だ。美しい食事写真と自動消去機能による、よくできた嫁が我慢しきれず漏らしてしまった本音、という健気さを感じさせる投稿。二重三重の計算で、100対ゼロで世間を自分の味方につけたいのでは、という印象がぬぐえないのだ。

過去のやり方と方針を変えた熊田が狙うポジションとは

 そもそも熊田が夫に対して不満をぶつけるのは今回が初めてではない。数々のトーク番組で、夫の浮気疑惑や、勝手に仕事を辞めて起業していたことへの不満を語り続けている。5年前にはなじみの「ロンハー」で、夫の携帯を見たら合コンの予定が入っていたため、逆ドッキリを仕掛けたいと番組に持ち掛けたことも明かされた。

 そんな夫に対する不満を次から次へと持ち出す熊田に対し、一部では同情する声も上がっていたものの、今回ほど話題にはならなかった。夫とはいえ人の携帯を勝手に見るなんて自業自得、という意見もあるだろう。何にせよ、今まで不満話は、ママタレならではのポジショントークと思われていたのだ。でも、それだけでは納得ができなかったということだろう。

 熊田のスタイルは現役時と変わらぬ美しさを保っているが、今や子どもを産んでも美貌が衰えない女優やタレントは山のようにいる。料理上手を売りにしたママタレも多い。つまり、「若くてキレイ」か、「料理上手」というママタレの人気ポジションには空きがない。

 しかし裏を返せば、「悩み多き不幸なママタレ」というポジションはなかなかない。シングルマザーでも豪遊ぶりを見せつける紗栄子はいても逆はないのである。5年前からずっと夫のことを非難しながらそれでも離婚しないのは、熊田自身が夫の非道ぶりさえもメシの種にできると踏んでいる部分もあるのではないか。番組で思ったほど盛り上がらないなら、作戦変更して「悩み多きママタレ」の確固たるポジションを築こうと考えてもおかしくない。

 結婚のあり方や夫婦の役割に変化が起きている現代だからこそ、モラハラ夫や姑との確執など、自身のモヤモヤを熊田に重ねる女性たちも多いだろう。だからこそ、これだけ報道が盛り上がり、「悩み多きママタレ」への共感と期待も高くなるに違いないとも言える。熊田の家庭がどうなるかは本人たち次第なので、外野がどうこう言うものでもない。が、彼女の嗅覚はやはりすごい。改めてそう感じた報道であった。

(冨士海ネコ)

2019年6月28日 掲載