「複合現実」で建物検査?
検査は検査用BIMモデルを投影させたMR用ヘッドマウントディスプレー(HMD)を装着し、検査対象建築物と重ねて目視する。中間検査では構造耐力上、主要な部材である鉄骨やブレース(筋交い)の位置、断面、材種を確認。事前に部材を断面寸法、材料種別ごとに色分けし、視認性を追求した。空間を把握する確度が高まり、確認する部材の選定を効率化できた。
完了検査でも設備機器・器具、配管・ダクトを種別や系統で色分け。さらに延焼の恐れがある範囲の位置、自動火災報知機の法定離隔距離の監理状況を確認した。天井裏や床下に隠れているダンパーや機器を可視化でき、検査の実施箇所選定も容易になった。
また「共有クラウド」を使って情報を一元化し、検査員、工事の施工者や監理者で情報共有を迅速化した。
竹中工務店の花岡郁哉東京本店設計部設計4グループ長は「今回の試みは一般建物に応用できる物が多い。単純なBIM活用から一歩進んだ」と話す。
今後、天井裏に防火ダンパーが隠れている大規模建物でもMR検査を実施する方針。適用事例を増やしてルール化を検討、適材適所で活用を目指す。
