新時代も中国・韓国に振り回される「造船ニッポン」
韓国は90年代以降、大型造船所を相次いで建設。国の後押しもあって受注量ベースの世界シェアは90年代前半の約25%から、00年代前半には同40%近くまで高まった。
08年のリーマン・ショックで造船市況が悪化すると今度は中国が代わってシェアを伸ばし、10年に世界シェアで首位となった。為替が円高傾向だったこともあり、日本の造船各社は韓国、中国勢の安値攻勢に対抗できず、日本は世界3位の固定状況が続いている。
世界造船受注量は06年に、それまでの最高を記録した。新興工業国・地域(NIES)、「BRICS」などの新興国の経済成長と資源価格高騰に支えられ、物資を輸送する船舶の需要は基本的に拡大傾向が続くとの読みが多くの人の共通認識だった。リーマン・ショックは、そうした常識を打ち壊した。翌年の09年の世界造船受注量は前年の半分近くまで落ち込んだ。
受注量が落ち込む一方で造船所の建造能力が増加していれば、必然的に起こるのが船価のたたき合いだ。中国と韓国、日本の3強が過当競争を続けた結果、十分な利潤を得られない状態のまま企業体質が悪化。「日本は過去の造船不況の経験から過剰設備の削減を進め、市況維持を図った。
だが、韓国はしていない。中国も不採算の造船所を整理したとはいえ、まだまだ過剰。それが世界的な船腹過剰状態を生み出している」。日本造船工業会の加藤泰彦会長(三井E&Sホールディングス〈HD〉相談役)は不快感を隠さない。
韓国は1月、政府系金融機関の韓国産業銀行が約56%の株式を持つ造船世界3位の大宇造船海洋と、同首位の現代重工業を合併させることで、条件付きMOU(了解覚書)を締結した。これにより韓国は3強体制が2強体制に集約され、競争力を一層強化していける土台が整った。
