日本企業の現状は“広く浅く”、SDGs本格化へ大事なこと
―蟹江教授が所属する慶大SFC研究所(神奈川県藤沢市)は2018年6月、企業14社、自治体3団体と連携する「xSDGコンソーシアム」を立ち上げました。狙いは。
―企業の参考となる優良事例の示し方は。
「SFC研究所の教授が連携する『xSDG・ラボ』と、企業や自治体との共同研究で優良事例を創出する。いま無印良品、静岡市とそれぞれ研究しており、得た知見をコンソーシアムメンバーと共有する。19年夏から成果が出てくるはずだ」
―さまざまな機関がSDGs事例を公表しています。あえて創出する狙いは。
「今は、過去からの取り組みをSDGsとしている事例が多い。大事なのは、SDGs達成を目指した新たな活動をスタートすること。SDGsに取り組むには工夫がいる。優良事例の工夫がコンソーシアムで共有されると普及もする」
―パートナーシップの効果は。
「不足部分(技術、知見など)を他者に補ってもらうことで、新しい手法や発想が出てくる。お金を払っても補完ができるが、パートナーとならコストをかけずに補える。案外、自分たちの領域は自分たちでやろうとしがちであり、SDGsは連携のきっかけを与える。地方創生でも官民連携が活性化すると、自立分散的にパートナーが結びつき、持続可能になる」
―日本のSDGsの評価は。
「産業界にSDGsが広がり、好スタートを切った。一方、欧州は広がりは欠くが、1社1社が本質的であり“深み”がある。例えば持続可能性につながる商品や生産にシフトしている。深掘りする企業が増えると、ビジネスで欧州に先行される」
