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アメリカのディズニーワールドで一部の来場者が遺灰を撒いていることを知っているだろうか。米ウォール・ストリート・ジャーナルが昨年10月に報じている。

この記事によると、遺灰が見つかると、スタッフに暗号で伝えられ、清掃員が特殊な掃除機を手に駆けつけるのだという。遺灰は掃除機で吸われ、廃棄される。ちなみに遺灰がよく見つかるのは、ホーンテッド・マンションなどのアトラクション付近だそうだ。

もし日本のディズニーランドなどで、同じことをした場合、どのような法的問題が考えられるのか。寺林智栄弁護士に聞いた。

●業務妨害罪に該当する可能性

「撒く遺灰の量などにもよりますが、業務妨害罪に該当する可能性があります。

夢の国であるディズニーランドに遺灰が撒かれているという噂が広まれば、来場者が減少する可能性がありますし、実際に清掃などにより営業自体に支障をきたすことになります。

業務妨害罪に該当すれば3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられる可能性があります」

損害賠償の請求は可能なのか。

「清掃費や人件費等々の損害について、遺灰を撒いた人に対して損害賠償を請求することが可能となります。

故人が好きだったディズニーランドに遺灰を撒いて供養したいという気持ちはわからないではありませんが、違法な行為であること、他の方々の楽しみを奪うことになりかねないことを理解して、このような行為は慎んでもらいたいと考えます」

(弁護士ドットコムニュース)

【取材協力弁護士】
寺林 智栄(てらばやし・ともえ)弁護士
2007年弁護士登録。東京弁護士会所属。法テラス愛知法律事務所、法テラス東京法律事務所、琥珀法律事務所(東京都渋谷区恵比寿)を経て、2014年10月開業。2018年11月から弁護士法人北千住パブリック法律事務所(東京都足立区千住)。刑事事件、離婚事件、不当請求事件などを得意としています。