登壇したのは、雑誌『SPUR』で映画レビューをしているジャーナリストの萩原麻理さん、オジさま大好きのイラストレーターの諏岸(すぎし)さん、20年間英国ドラマを販売してきたBBCスタジオズジャパンの木下美雪さんの3名。

みんなで「英国男優に乾杯」した後、まずは海外ドラマ・映画における英国の立ち位置について、萩原さんが解説。

1990年代は、ヒュー・グラント主演の映画『フォー・ウェディング』(今年同じメンバーで25年後を描いた短編映画が製作される、との情報にヒュー様ファンから歓声があがります)に代表されるように、ロマンチック・コメディの印象が強め。

同作を制作したワーキング・タイトル社は、その後『ノッティングヒルの恋人』『ブリジット・ジョーンズの日記』『ラブ・アクチュアリー』などの作品を世に出します。

なるほど、こうして並べるとなんとなく傾向が見えてきますね。

2000年代になると、ハリウッドとの共作が増えます。世界的な大ヒット映画の『ハリー・ポッター』シリーズから、ダニエル・クレイグによりリブートされた『007』シリーズ、バットマンをシリアスなスーパーヒーローとして描いた『ダークナイト』など。こうして、イギリスの監督・俳優が世界へと羽ばたいていきます。

極め付きが2010年からBBCで放送された『SHERLOCK/シャーロック』(スライドが登場しただけで、会場からは拍手の嵐)。主演のベネディクト・カンバーバッチはBBCの顔となり、実力が認められトップスターへ。

特に、これらイギリスの作品はアメリカでブームとなるより前に、日本で人気に火が付いていたんだそう。リアルタイムでOAを見るためだけに渡英する熱狂的なファンの話などが語られました。

さらに「英国のドラマと俳優がなぜ魅力なのか?」木下さんによる分析。

そのひとつの鍵が“シェイクスピア”。16世紀のロンドンからの歴史ある劇場文化は、現在のイギリスにも引き継がれており、巧みなストーリーや演技力のある俳優が生まれる土壌があります。実際に今でもTVプロデューサーは、自ら小劇場に通って有望な若手を探しているのだとか。

もうひとつは“インディ”ことインディペンデント プロデューサー。1990年代に法令ができ、英国の放送局は、自社でないインディから25%の番組調達が決められました。このクリエイティブを尊重した制度によって、競争が生まれ、クオリティの高い様々な作品が生まれました。実は、先ほどの『シャーロック』もインディ生まれなんですって!