日本代表DF長友佑都【写真:田口有史】

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ウルグアイ戦で攻撃陣が躍動、両翼の中島と堂安を長友が評価「楽しんでプレーしている」

 日本代表は16日の国際親善試合ウルグアイ戦で4-3と勝利を収め、今夏のロシア・ワールドカップ(W杯)後に発足した森保一体制で3連勝と好スタートを切っている。

 10月シリーズで現体制初招集となったDF長友佑都(ガラタサライ)は、ウルグアイ戦にフル出場したなか、「気持ちいいよね、イケイケだから」と若手コンビに目を細めている。

 試合は前半10分にMF南野拓実(ザルツブルク)が先制弾を決めるも同28分に追いつかれ、同36分にFW大迫勇也(ブレーメン)がこぼれ球を押し込んで追加点を奪うが、後半12分に再び同点とされた。だが同14分にMF堂安律(フローニンゲン)、同21分に南野拓実(ザルツブルク)がゴール。終盤に1点を返されるも4-3で日本が逃げ切った。

 目を引いたのは、躍動した日本の攻撃陣だ。なかでも2列目中央の南野、左サイドハーフの中島翔哉(ポルティモネンセ)、右サイドハーフの堂安は相手の脅威となり、それぞれがゴールに絡む活躍を披露した。そのなかで両翼を高く評価している一人が長友だ。サイド攻撃の起点となった中島と堂安を称賛している。

「いいね、気持ちいいよね。イケイケだからね。伸び伸びと楽しんでプレーしているから」

 とりわけ長友と中島の左サイドは猛威を振るった。中島がボールを保持すると、長友が左サイドを一気に駆け上がる。相手のマークが長友に向いた瞬間、中島が小気味よいステップでドリブルを開始。中島は時に中央、時に縦へ突破し、南野の先制ゴールをアシストすれば、大迫のゴールを誘発する強烈ミドルも放った。


長友も「ドリブルお化け」と称賛の中島、今冬のビッグクラブ移籍も現実味

「翔哉は2対1を作ることでシュートコースが空けばいいと。最悪、僕にパスを出してクロスでもいい。あのレベルだと、なかなかシュートまで行かせてくれない。そのために、上がるところは上がっていた。ドリブルお化けでしょ、あいつ。びっくりしたわ」

 一方、右サイドで出場した20歳の堂安も負けていない。足もとでボールを収めると、172センチと決して大柄とは言えない体格ながら、ウルグアイの選手たちと同等のフィジカルを誇示。テクニックをまじえて相手を翻弄する場面は痛快そのものだ。左の中島と同様、堂安も縦方向に果敢な突破を見せれば、得意の左足でカットインしてゴールも狙った。その積極性が自身の代表初ゴールを生んだと言えるだろう。

 日本代表の10番を背負う中島は、すでにビッグクラブへの移籍が噂されている。ドルトムントをはじめとしたドイツのクラブによる争奪戦の様相を呈していると伝えられ、パリ・サンジェルマン(フランス)やアトレチコ・マドリード(スペイン)など強豪も興味を示している模様。評価はうなぎ上りで、早ければ今冬にも移籍が実現しそうな勢いだ。

 一方、堂安はフローニンゲン1年目の昨季9ゴール4アシストをマークし、同クラブ所属の10代選手としてはバルセロナのウルグアイ代表FWルイス・スアレスらに次ぐ3人目の8ゴール以上達成者となった。ともに欧州でのステップアップ移籍が現実味を帯びている。


世界的な名手や有望株を見てきた長友、日本の若武者コンビへ的確アドバイス

 かつて世界的名門インテルに所属し、現在もトルコの強豪ガラタサライに所属する長友は、様々な名手や有望株をその目で見てきた。そんなベテランの目にも、急成長を遂げる日本の若武者コンビは光り輝いて映っている。その実力と勢いに一目置きながらも、長友は冷静かつ的確なアドバイスを送った。

「これから行くところ、行かないところ、全てがイケイケではダメだし、そのメリハリを覚えたらもっとトップレベルに行けるような選手になると思う」

 長友も太鼓判を押す二つの才能は、日本サッカー界をけん引するだけのポテンシャルを秘めている。このままさらなる成長を遂げれば、日本の両翼は対戦国から恐れられる存在となりそうだ。


(Football ZONE web編集部・大木 勇 / Isamu Oki)