開幕戦でいきなり元セレソンの実力を見せつけたジーコ。ハットトリックは今もなおを語り継がれる偉業だ。(C)J.LEAGUE PHOTOS

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 初年度の開幕戦を彩った全ゴールが復活だ。

 Jリーグが5月15日に25周年を迎えた。その記念すべき日を盛り上げるべく、リーグ創設初年度の開幕戦で生まれた全ゴールが公式FACEBOOK上で公開されている。

 10チームで産声を挙げたJリーグは1993年の5月15日に1試合、16日に4試合が行なわれた。”サッカーの神様”と崇められた元ブラジル代表のハットトリック、現在は名古屋で指揮を執るあの名将の豪快ボレー弾。どれも記憶に残る鮮やかなショットだが、まず最初に紹介されているのはV川崎(現東京V)対横浜M(現横浜)の一戦で生まれたメモリアル弾だ。

 15日のJファーストマッチに先発出場したV川崎のマイヤーは、0-0で迎えた19分に左サイドから中央へカットイン。最後は豪快に右足を振り抜き、Jリーグ史上に名を残す最初のゴールを叩き込んだ。試合は1-2で敗れたが、このメモリアル弾によってオランダ人FWは多くの人に名前を覚えられることとなった。

 また、この試合で決勝弾を決めた元アルゼンチン代表のラモン・ディアス(横浜M)の活躍も見逃せない。Jリーグの初代得点王は59分、抜群の得点嗅覚を生かしてチームを逆転勝利に導いた。

 翌日の16日に実施された残る4試合でも多くのゴールが誕生。とりわけ、強烈なインパクトを残したのは、のちに日本代表でも指揮を執ることになるジーコだ。
 
 鹿島の10番を託された40歳のジーコは、名古屋との開幕戦で驚くべき活躍を見せる。25分に僅かな隙を見逃さなかった”サッカーの神様”は豪快に右足で先制点を奪うと、直後の30分には鮮やかに直接FKを捻じ込む。ハーフタイムを終えた後も勢いは衰えず、63分にアルシンドの左クロスに合わせてJリーグ史上初のハットトリックを達成。しかも、40歳2か月13日での快挙は、今も破れられていないJ最年長ハットトリック記録となっている。

 助っ人たちの活躍が目立った開幕戦で、Jリーグの日本人第1号ゴールを決めたのは現在名古屋で指揮官を務める風間八宏だ。広島の一員として市原(現千葉)戦に臨んだ背番号8は、開始早々の1分に魅せる。アーリークロスに反応して右足で技ありのジャンピングボレーを披露。日本屈指の技巧派として鳴らした名将は、鮮やかなファインショットで開幕戦の勝利に貢献した。

 オープニングマッチで生まれた17のゴールは、どれも鮮やかで今も色褪せていない。日本サッカー界の夜明けに相応しい得点ばかりだったのは間違いない。