AI認識とGoogle音声操作する、19.5:9の超縦長な近未来スマホLG G7 ThinQが発表

写真拡大 (全4枚)

自動シーン認識のカメラを搭載したLGの新型スマホ「LG G7 ThinQ」が発表になった。
早ければ5月から海外で販売が始まる予定だ。

G7 ThinQの特徴の多くはすでに先行する各社の最新モデルと同等で、パッと見たところ特徴をあまり感じられない。しかし最後発として登場しただけあり、細かい点で差別化が図られている。

縦に長いディスプレイは今やスマホ業界のトレンドだ。
2017年後半からは18:9という縦横比のディスプレイ搭載スマホが次々と登場している。さらに縦長化は、今では19:9にまで伸びている。

実はこのワイドディスプレイの先駆者はLGなのだが、このことはあまり知られていない。
2016年2月に発表された「LG G6」は18:9の縦長ディスプレイを搭載していた。今では当たり前となったワイドディスプレイだが、G6発表当時に現在の状況を予想できた人はいなかった。

そのG6の発表から1年たって登場したG7 ThinQは19.5:9のディスプレイを搭載している。このG7 ThinQは、今年流行の兆しを見せている19:9ディスプレイよりもさらにワイドサイズなのだ。
このおかげでG7 ThinQは6.1インチながら横幅は71.9mmで、片手も楽に握ることができる。ここまでワイドサイズであればディスプレイ表示を二分割し、2つのアプリを同時に使うのも楽だろう。いわゆるシネマサイズの21:9に近づいたことで、G7 ThinQ向けに特化した映像コンテンツの登場にも期待したい。


19.5:91のワイドディスプレイを搭載したLG G7 ThinQ


またカメラの強化もG7 ThinQのアピールポイントだ。
製品名にもなっている「ThinQ」はLG独自のAIシステムである。
AIを利用することでカメラの自動認識が向上している。
前モデル「V30s ThinQ」では8つのシーンを自動認識できたが、G7 ThinQでは19シーンと倍増以上になっているのだ。
またカメラは1600万画素のデュアルで、F1.6とF1.9という明るいレンズも搭載。
ライバルとなるGalaxy S9+は1200万画素のデュアルでF1.5+F2.4というカメラを搭載している。両者を比較すると、総合的なカメラ性能はG7 ThinQが上回っている。


AI認識も高まったカメラ機能


そして今回のモデルでは、新しいボタンが新たに搭載された。
本体左のボリュームボタン下に設置されているボタンである。
このボタンを押すと、Googleアシスタントを起動する。
つまり、音声で本体の操作やネットからの情報収集ができるのだ。
・「カメラを起動」
「今日の天気は?」
「バスの時間を教えて」
このようにG7 ThinQに話しかけるだけで、本体操作や情報検索ができるのである。

LGはスマート家電でもグーグルと提携しており、それをスマートフォンにも拡大したのだ。
G7 ThinQでは、スマートフォン操作はタッチ操作でアプリを起動するのではなく、
「音声で、簡単に、スマートに操作」
というのが最大の特徴なのである。

なおG7 ThinQにはLG独自の音声認識エンジン「Qボイス」も搭載されており、利用シーンに応じてGoogleアシスタントと切り替えて使うこともできる。


Googleアシスタントは本体横のボタンからワンタッチで呼び出せる


本体のスペックは
CPUにSnapdragon 845
メモリは4GBまたは6GB
ストレージは64GBまたは128GB
とハイスペック。価格は10万円程度が予定されている。

総合的な機能を考えると価格相応な製品ではあるものの、「G7 ThinQならではの機能」といえる部分が弱いのが気になるところ。
日本ではここのところ、LGのGシリーズは投入されていないが、音声コントロール可能なワイドディスプレイモデルとして売り出すのも悪くなさそうだ。


山根康宏