堅調な「ミラーレス」市場、カメラ各社が新製品で激突
ソニーは画像処理エンジンの能力を従来機に比べて約1・8倍に増強し画質性能を高めたレンズ交換式デジタル一眼カメラ「α7III」を3月23日に発売する。35ミリメートルのフルサイズ相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサーを搭載したミラーレスカメラで、暗い場所で撮影した場合の画質などを向上した。カメラ本体の市場推定価格は23万円前後(消費税抜き)。ズームレンズキットは25万円前後(同)。
カメラが光をとらえる能力を表す「ISO感度」は、従来機に比べ2倍となる最大5万1200に向上。このため、暗い場所で感度を上げても「ノイズ」と呼ばれる画像のザラつきをより低減でき、きれいな写真を撮影できる。
ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ(東京都港区)の長田康行シニアゼネラルマネジャーは市場動向について「レンズ交換式カメラ市場では、ミラーレスとフルサイズの構成比が増えている」と分析した。今回の新製品で積極的に市場を攻略する。
一方、キヤノンは新型ミラーレス一眼カメラ「EOS キス M」を3月下旬に発売する。子どもの成長を記録する用途など、家族向けカメラとして人気の高いEOSキスシリーズにミラーレスを追加し販売を拡大する。直販サイト価格は7万3500円(消費税抜き)。キヤノンはミラーレスでもあらゆるユーザーのニーズに対応する。
販売を担うキヤノンマーケティングジャパン(MJ)の坂田正弘社長は26日の会見で「ミラーレスもナンバーワンを目指す」と話した。
EOSキスは、小型・軽量で簡単にきれいに撮影できることをコンセプトに、家族や一眼カメラの初心者層で高いシェアを持つ。キヤノンはミラーレス首位に向けて、まず得意とする初心者層などの獲得を確実にする考え。
新製品はミラーレス化により、現行のEOSキスに比べて約66グラム軽量化して約351グラムとした。新映像エンジンDIGIC8の高速画像処理により、測距点を最大99点としてオートフォーカス性能を向上した。イメージセンサーはAPS―Cサイズで、有効画素数は2410万画素。高解像度「4K」の動画を撮影できる。
富士フイルムはXシリーズとして最高性能のミラーレス一眼カメラ「X―H1」を3月1日に発売する。Xシリーズで初めて高剛性ボディー内に5軸・最大5・5段の手ブレ補正機能を搭載した。スポーツなど動きの激しい被写体や、雪や砂漠など厳しい環境の撮影にも対応する。想定価格は24万円前後(消費税抜き)。助野健児社長は「撮影領域を広げる画期的な商品」と自信を語った。
X―H1は、ハイパフォーマンスの“H”から名付けた。マグネシウム合金を採用した高剛性ボディーは、大口径レンズと組み合わせて安定して撮影できる。防塵・防滴構造やマイナス10度Cの耐低温性能、蛍光灯などの下で安定した露出を実現するフリッカー低減撮影機能を付け、さまざまな撮影シーンに対応する。動画撮影機能も高めた。
同社のカメラ販売はX―T2やX-プロ2などが好調で、高性能品の投入によりシェア拡大へ攻勢をかける。
