葛西紀明【写真:Getty Images】

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史上最多8度目の出場、米メディアも称賛「楽しむ姿勢こそ日本のスターの原動力」

 平昌五輪のスキージャンプ男子ノーマルヒル予選で冬季五輪史上単独最多となる8度目の出場を果たした葛西紀明(土屋ホーム)。92年のアルベールビル大会から8大会連続で出場を続ける45歳について、米メディアは「ロックスター」と称し、米国選手が競技前の“ある姿”に感銘を受けたことを紹介している。

 米紙「USAトゥデー」は「冬季五輪において、男子ノーマルヒルほど不適切につけられた名前はない。なぜなら、それが全くもって“ノーマル”ではないからだ」と記し、葛西の五輪史上最多となる8度目の五輪出場という偉業を特集している。

「照らし出すライトのもと、急激な坂から時速60キロで体を飛ばし、その距離はサッカーグラウンドをも超える長さだ。そんな難関を、スキー板よりも少し背丈が大きい程度のロックスターな45歳はやってのけている」

 日本のレジェンドについて「ロックスター」と評し、45歳でもスキージャンプという競技と向き合い、空を飛び続ける姿勢に賛辞を送っている。尊敬の眼差しはスキー界のライバルからも送られているという。

米国選手がかつて感銘を受けた競技前の姿「常に屈託のない明るさだ」

 ケイシー・ラーソン(米国)は葛西について「彼は僕のような若いアスリートにとって、憧れの大物だよ。また、ベテランの選手からも、忍耐とハードワークの象徴的存在として尊敬されている」とコメントしたことを紹介している。

 さらに、ラーソンが感銘を受けたのは、かつて見た競技前の“ある姿”だという。記事によると、葛西が日本人選手とサッカーボールを蹴り合っている姿を見て、「常に屈託のない明るさだ。常に楽しく過ごすことを目指している」と話したと伝えている。

 記事では「その楽しむ姿勢こそ、日本のスターにとって原動力だ」と分析。92年のアルベールビル大会以来、実に26年間にわたって日本の第一線を走り続けたポジティブな精神は、特筆すべきものと映っているようだ。

 初陣となったノーマルヒル予選は20位でパス。10日に行われる決勝に駒を進めた。現役ながら伝説となりつつある45歳の勇姿は、日本のみならず、海外の熱視線も集めている。(THE ANSWER編集部)